調査方法にばらつき
こうしたデータには、多少のばらつきがある。一つは調査時期。大阪府の調査は3月を起点としているので、感染者全体に占めるデルタ株感染者が少ないと見られる。一方、厚労省の10~12日の調査は、直近の状況を示している。「新規感染者の3%が2回接種者」という結果は、同じく直近の調査をもとにしている埼玉、仙台、和歌山のデータとおおむね一致する。
もう一つは、「2回目接種」から何日を経過しているか。大阪の調査は、「2回目のワクチン接種後、免疫を獲得するとされる2週間以上が経過して発症した人」となっており、ワクチン効果が確実に表れた人を対象にしている。そのこともあり、他の調査よりも、ワクチン効果が高く出ていると推測される。
各調査をまとめると、「新規感染者の約3%はワクチン2回目を接種済み。ただし大半は無症状か軽症。東京のように感染爆発し、感染者が多くなると亡くなるケースもある」というところだろうか。
読売新聞によると、和歌山県福祉保健部の野尻孝子技監は「ワクチンの効果はきわめて高く、接種を推奨するが『祖父母は2回ワクチンを打ったから大丈夫』とお盆に帰省されると感染する可能性がある。2回接種を終えた人同士で接触して感染した例も複数あり、感染予防対策はきちんと実施してほしい」と話している。