新型コロナウイルスのワクチン接種後、発熱や倦怠(けんたい)感などの副反応が生じる場合がある。中には体調を崩し、仕事を休む人もいる。
ただ、副反応という理由が職場の上司の理解を得られず「嫌な顔をされた」という書き込みが、ツイッターに複数出ている。
「分かりました」とひとこと
「バナナマン」の2人は、コンビでパーソナリティーを務める「JUNK バナナマンのバナナムーンGOLD」(TBSラジオ)の生放送を2021年7月31日、欠席した。日本テレビの岩田絵里奈アナウンサーは、8月9、10日と連続で、自身がキャスターを務める情報番組「スッキリ」を休んだ。
芸能界のみならず、副反応に苦しむ社会人は多い。J-CASTトレンドは、ワクチン接種後に副反応で仕事を休んだ20代の女性2人に、職場の様子を聞いた。
Aさんは、8月上旬に2回目を打った夜、38.7度の高熱が出た。「一切寝付けずそのまま朝になりました。頭痛もひどく、薬を飲んでも効かなかった」と振り返る。翌朝、上司に休む旨の連絡を入れると「分かりました」とひとことだけ返事が。有休を取る際は、いつも良い顔をされないそうだ。
「『そんなことで休むの?』という圧を感じた」
Aさんは、事前に接種後も休む可能性があることを伝えていたという。
職場では接種をしている人はほかにもいるが、Aさんのチームではこれまで誰も休んでいない。「上司も副反応はとくに出なかったみたいで、苦しんでいる人が理解できないのかもしれない」とこぼした。
政府も休暇制度活用を呼びかけ
Bさんは8月半ばに接種を完了した。1回目は腕が痛くなった程度だったが、2回目の接種から8時間後に発熱。翌日39.3度まで上がり、倦怠感と悪寒、吐き気があったという。2回目の接種後に体調を崩す人が多いと聞いて事前に有休を申請していたが、想像以上に症状がひどく接種の翌々日も仕事を休んだ。
上司からはとくに嫌味は言われなかったが、「休むことに罪悪感があったのは事実」と話す。さらに、「寝ていたら上司から仕事の連絡がきて、ベッドの中で対応しました...」と明かした。
厚生労働省が公式サイト上で公開している「新型コロナウイルスQ&A」では、ワクチン接種後の仕事の休暇についての回答がある。ここには、政府として各企業に対し、接種後に副反応が生じた場合に利用できる休暇制度の新設や、既存の休暇制度活用などの対応を呼びかけている、と書かれている。厚労省は、接種者も、「打った翌日は副反応が生じる可能性をあらかじめ考慮し予定を立ててほしい」としている。