向田邦子さん没後40年も人気続く 大手書店には特集コーナー

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根っからの悪人が出てこない

   このほか、新潮文庫からは 3 月に向田作品の全ドラマ・エッセイ・小説作品から名言、名ゼリフをセレクトした『少しぐらいの?は大目に ――向田邦子の言葉』が刊行されている。また、ちくま文庫では 7 月に向田和子編によるシナリオ集『向田邦子シナリオ集 ――昭和の人間ドラマ』も出た。デイリー新潮も8月12日、「飛行機事故死・向田邦子さん 『神はあまりにむごい』 卓越した筆の力で今なお多くの人を魅了」という向田さんをしのぶ記事を載せている。

   J-CASTトレンド「コラム放牧民」では昨年7月1日、テレビ界の大御所プロデューサーの石井ふく子さんが「週刊現代」で向田さんの思い出を記したコラムを紹介した。

   向田さんと何本ものドラマをつくった石井さんは、向田作品の魅力は何だったのかとよく聞かれるそうだ。「一言では言い表せませんが、私は根っからの悪人が出てこないところが好きでした。やさしくて純粋な方でしたから、悪人なんて書きたくもなかったのかもしれません」と綴っている。

   向田さんが急逝してから、向田さんを超えるような、幅広い世代に愛読される女性エッセイストは登場していないといわれる。没後40年、多くのファンにとって「永遠の向田ロス」(「コラム遊牧民」の筆者、富永格さんによる)は今も続いている。

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