ゆで卵をゆでるとき、水とお湯、どちらを使いますか。インターネット上の掲示板で、ちょっとした論争になっている。
「沸騰するのを待つのが面倒だから水から」、「湯でないと加熱時間を間違えそう」――。さまざまな意見があがっている。実際に試してみたら、答えが見つかった。
水と湯それぞれのメリットは
三越伊勢丹グループが運営する食のメディア「Foodie」には、「卵は水からゆでるのがおすすめ」とある。湯より水に卵を入れた方が、温度差があまりなくひび割れる心配が少ない。かつ、ゆでる時間を少し短縮できるという。
一方で、食品メーカー・キユーピーの公式サイトには、「理想の固さに仕上げたいとき」であれば、「水からでなくお湯からゆでます」と書かれている。水だと、鍋の大きさや水の量によって沸騰するまでの時間が異なり、同じ時間ゆでていても仕上がりがバラバラになる、との説明だ。しかし、沸騰した後であれば、鍋や水量の違いに左右されないため、毎回思った通りの固さに仕上がる。
ヤマサ醬油の公式サイトにも、「沸騰したお湯に入れるほうが、トロトロ半熟から固ゆでまで好みの固さに加減しやすい」と書かれている。細かく固さを調整したい場合は、湯がよさそうだ。
同じ8分間ゆでたら変化が
では、沸騰後に同じ時間ゆでた場合、水から温めた場合とある程度温まった湯を使った場合では、味や出来上がりに違いはあるのか。記者は、それぞれ試してみた。各サイトで、やや半熟気味の目安とされている8分ゆでた。
まずは水から。卵が浸かる程度(800ミリリットル)まで水を鍋に入れて、そのまま火にかける。約7分で沸騰してきた。そこから中火で8分間、タイマーで計った。
次に、湯から。同じく800ミリリットル鍋に入れて、火にかける。6分半後、沸騰した。そこからひび割れしないようにお玉で卵をゆっくり入れる。同じく中火で8分ゆで、火を止めた。
見た目に差はない。湯からゆでたほうは、かすかにヒビが入っていた。
水からゆでた卵を半分に割ってみると、半熟ではない。
沸騰するまでの間もずっと卵を火にかけ続けていたからだろうか。固くなっていた。前述の「Foodie」にあった通り、もう少し短い時間で火を止めてよかったようだ。ゆでる時間そのものは短くできることが確認できた。
一方、湯からゆでた卵は、理想的な「やや半熟」に仕上がっている。水から鍋に入れた卵も、沸騰してから鍋に入れた卵も、それぞれゆでた時間は同じだった。しかし、キユーピーとヤマサ醬油のサイトに書かれている通り、沸騰してから卵を鍋に入れたほうが想像通りの固さになった。