「神器」はウイルス防げない
デルタ株の感染が全国に拡散していることを受け、衛生当局は国民にマスクの着用を呼びかけている。昨年の夏は中国では感染がほぼ出ていなかったため、猛暑でのマスク着用は初めての人も多い。そのため、通気性を高めるフレームや涼感ジェルといった「マスク神器」が7月末からバカ売れしている。
ECサイトで「マスク」「神器」で検索すると、大量の商品がヒットし「つけるだけで(中国がN95規格相当の防塵効果があると認定する)KN95級の品質にグレードアップするフレーム神器」「日本品質神器」なども現れる。
だが、マスク神器の大流行に対し、広東省の衛生当局は「暑さを防ぐ神器は、ウイルスを防ぐ神器にはならない」と注意を喚起。「マスクは感染防止の重要な防御線であり、中にフレームを入れるとすき間ができて最近やウイルスを防げない恐れがある。人が多い場所では暑くてもマスクを正しく着用して、蒸れたら交換して」と呼びかけている。
浦上早苗
経済ジャーナリスト、法政大学MBA兼任教員。福岡市出身。近著に「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)。「中国」は大きすぎて、何をどう切り取っても「一面しか書いてない」と言われますが、そもそも一人で全俯瞰できる代物ではないのは重々承知の上で、中国と接点のある人たちが「ああ、分かる」と共感できるような「一面」「一片」を集めるよう心がけています。
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