九州を中心に、各地で災害級の豪雨となっている。2021年8月13日には、広島市に大雨特別警報が発令された。これは、「命の危険が迫っているため直ちに身の安全を確保しなければならない状況」(気象庁)だ。
週末にかけて、引き続き大雨に警戒が必要なうえ、予報ではこの先も雨模様が続く。一方で、避難が必要になった際、移動時にかえって危険が伴うこともある。判断のポイントは、外の明るさだ。
避難中に被災することも考えて判断
NHKのまとめによると、2021年8月13日18時半時点で、新潟、広島、佐賀など11県で警戒レベル4にあたる「避難指示」が出されている。避難指示は、「危険な場所にいる人は全員、避難が必要」という意味だ。
日中ならためらわず、身に危険が迫る前に安全な場所へ移動したほうが良い。ただ、夜間となれば別だ。暗くなってからの避難は、危険を伴う。
日本気象協会が運営するサイト「トクする!防災」は、水害や河川氾濫時の避難の心得を紹介している。夜は暗く見えないだけでなく、大雨で音が聞こえにくい。崩れている道路に気づくのに遅れた、避難中に被災する危険もある――こう指摘する。
もし、暗くなってから避難を検討する状況になれば、「避難中に被災することも考えて避難するかを判断してください」としている。自宅などにとどまる場合は、建物内で可能な限り高いところに避難する「垂直避難」を勧めている。
単独行動、車移動は避ける
それでも、夜に避難する選択肢しか残されていなかったら――。
2019年7月2日配信のウェザーニュースによると、夜間に危険が迫って屋外へ移動する際には、以下の3点に注意が必要だと説明している。
(1)となり近所に声をかけ、単独行動は避ける。 (2) 水路の側や狭い道などは避けて動く。道路の冠水によって、水路と区別がつかなくなり落ちる恐れがある。 (3) 車での移動は避ける。道路冠水により、走行不能になることもある。便利で安全に思えても、過信しない。
記事によると、自宅内にとどまるか、避難するか、どちらを選択するかは、その時いる場所や状況によって異なる。夜の場合は、今、本当に外へ出る必要があるか。くれぐれも慎重に判断しよう。