コロナ禍で迎える2度目の夏。今年も帰省を控える人は多い。J-CASTトレンドでは、2021年8月4日の記事で地元に思いをはせる地方出身者の声を拾った。取材の中で、今年8月中に帰省すると答えたのは、6人中1人だけだった。
その一方で、帰省したくないのにせざるを得ない人たちがいる。義理の両親の家に行く、嫁たちだ。この時期の訪問について、お盆に帰省する3人の女性に本音を聞いた。
電話で「帰ってこられないわよね」
全国知事会の公式サイトには、各知事からの要請文が掲載されている。北海道、長野、岩手など、どの知事も帰省の中止や延期をしてほしい、と伝えており、切実な文面が並ぶ。
帰省を控えるよう呼びかけられているのは重々理解したうえで、仕方なく21年8月13日現在福島県の義理の実家に帰っているのは、東京都在住30代のAさんだ。昨年のお盆と年末年始は、コロナの感染拡大を受けて帰省しなかった。今年の夏も、当然控える予定だった。しかし――。
「6月あたりから義母にたびたび電話で『(お盆は)帰ってこられないわよね』と悲し気に言われて。これは『帰ってこい』ということなのかと思いました」
夫に相談すると、「どちらでもいいよ」と言われ、帰らないでおこうと思ったが、子どもにせがまれ帰省を決意した。義理の両親はすでにワクチン接種済みだが、Aさんや夫はまだ完了していない。「帰省してもどこにも行けないので、ずっと家にいます。ゆっくり過ごせてはいますが、気を遣うので東京の家にいたほうがよっぽどラク」とこぼした。
親せきを集めて食事したいと言い出した
都内在住40代のBさんは、これから大阪府の夫の実家に帰省予定だ。ただ、大阪も感染が拡大しており、何とかキャンセルできないか今も考え中だと明かす。義理の両親は帰ってくるのを心待ちにしているが、Bさんは憂うつだという。
「(義母が)府内の親せきも集めて家で食事したい、と言い出していて本当に勘弁してほしい。この時期に集まるのが危険と思わないのか不思議です」
と口調を強めた。
京都府在住20代のCさん。夫の実家は兵庫県にある。結婚したのは1年半前で、まだ義理の両親の実家に帰省したことがない。今回Cさんと夫の休みが重なり、挨拶も兼ねて帰ることになった。コロナの状況も心配だが、相手の親と上手くやれるかという不安のほうが強い。「義母とはたまに電話をしていて、良くしてもらっています。でも、実際泊まるとなると、料理や家事で文句言われないか不安」と話す。そして、こうつぶやいた。「コロナが収まればこの緊張が連休のたびに来るのか...」。