「対サッカー」「対MLB」
WBCは、MLBが主催に携わっている。大会が盛り上がれば自リーグの収入につながる。だから、WBCにはある程度注力していると小林氏は考える。
日本が国際大会に力を入れている理由には、まず「対サッカー」意識があると話す。Jリーグ発足以降、国内でサッカーに注目が集まった一方で、野球人気は落ちていった。そこで国際大会で勝利し、支持を回復したいという思惑が球界にあると小林氏。2006年のWBC第1回大会でも、日本の優勝や大スター・イチロー選手の存在により、少し人気を盛り返した。
また1992年バルセロナ五輪の正式種目として追加される以前、野球を世界に広めるべく、日本のアマチュア野球界は正式種目化のための活動を行ってきた。こうした流れから、日本の野球界は現在も五輪出場に対して「前向き」なのだという。
日本のWBCへの注力ぶりは、MLBへの対抗心も根底にあると小林は推測した。MLBが世界一のリーグとして扱われている中、「メジャーがすごいと言われているけれど、日本もすごいぞ、ということを見せたいんだと思います」。