新型コロナ「自宅療養」激増の懸念も 自治体が患者にインスタント食品配る事情

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   政府は新型コロナウイルス感染症の重症患者や重症化リスクの高い人を除き、自宅での療養を基本とする方針を2021年8月2日に打ち出した。8月5日の東京都の新規感染者は、5000人を突破。今後、自宅療養者の数が増大する懸念がある。

   自宅で療養する患者への配慮から、配食サービスを用意している自治体は多いが、内容はまちまちだ。東京都をはじめ、インスタント食品のセットを用意しているところも。

  • カップ焼きそばや缶詰を用意(画像は東京都福祉保健局公式サイトから)
    カップ焼きそばや缶詰を用意(画像は東京都福祉保健局公式サイトから)
  • カップ焼きそばや缶詰を用意(画像は東京都福祉保健局公式サイトから)

千葉県も主にインスタント食品

   東京都では、「自宅療養者フォローアップセンター」が配食を行っている。都福祉保健局サイトに掲載されている食品例の写真を見ると、レトルトの中華丼、缶詰、カップ焼きそば、海藻サラダ、スナック菓子と、インスタント食品で構成されている。

   日テレNEWS24の8月4日の報道は、実際に都から自宅療養者に届いた食品を紹介している。3箱のダンボールの中身は、やはり海藻サラダやふりかけ、カップ焼きそば、缶詰といった内容で、日本テレビの取材に応じた療養者は「非常食ですよ」と形容していた。

   千葉県公式サイトによると、千葉市、船橋市、柏市以外については、 配送サービスの内容は「ごはんパック、レトルト食品、缶詰、スープ、飲料、ビタミンゼリー等」7日分と、都と同じくインスタント食品を中心としている。

   大阪府堺市の「自宅療養等応援パック」。「食料品リスト」には無菌米飯(パックご飯)、レトルトカレー、レトルト丼、缶詰などが記載されている。中には「総菜」という項目もあるが、インスタント食品ばかりだ。

   一方、名古屋市の配食サービスでは、1日3食分の「常温食」を提供。療養者には毎日昼・夕計2回の配達を行っているという。公式サイトのイメージ写真を見ると、朝食はパンとインスタント食品のようなコーンクリームスープだが、昼・夕食は弁当だ。ゴーヤチャンプルーや切り干し大根、ホウレンソウといったおかず類と、ご飯で構成されている。

   大阪府枚方市では、自宅療養者向け配食サービスで「Aコース」と「Bコース」を用意している。「Aコース」は弁当が毎日配達され、Bコースでは、10日間分のレトルト食料品が提供される。

弁当とレトルト、それぞれの説明

   J-CASTトレンドは2021年8月5日、名古屋市の新型コロナウイルス感染症対策室に取材した。食事内容は日によって異なるが、基本的には弁当を1日2回配送している。

   取材に応じた担当者は、レトルト食品よりこうした常食を希望する人が多い上、毎日配送することで療養者の安否確認もできると話す。最近では「1日あたり大体700食」が配達されている。

   関西地方の大規模都市の新型コロナ対策担当者は、匿名を条件に取材に答えた。この自治体は、レトルト食品を中心とした食品7日分のセットを配送している。担当者によると、最近では1日約200戸に配達しているという。

   自宅療養者が多い中、広域に毎日弁当のような食事を届けるのは難しいと担当者。夏場の今は、食中毒のリスクも考えられる。こうした事情から、日持ちのいいレトルト食品のセットを提供していると明かした。

   東京都福祉保健局の感染症対策部にも聞いた。

「在庫管理との関係の中で、レトルトでないと難しいという判断をさせていただきました」

   大都市の東京ではたびたび、自宅療養者数が急増するため、一定数の食品在庫を常に抱えておく必要がある。その上で、必然的に日持ちの良い食品が求められることから、レトルト食品が中心となっていると話した。

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