日本サッカー「53年ぶり銅メダル」へ メキシコ撃破のカギ握る選手と秘策

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   日本サッカー初となる五輪決勝をかけた、スペイン代表との準決勝。

   延長戦までもつれた試合は、アセンシオの一撃で終焉となったが、そこに至るまで様々なプロセスがあった。だが、その振り返りは一旦置こう。東京五輪はまだ、銅メダルを賭けたメキシコ戦が残っている。

   2012年ロンドン五輪でも、今大会同様に準決勝で敗れた。そして、目標を銅メダルに切り替えることが上手くいかずに、メダルを獲得できなかったと言われている。

   3位決定戦に向け、日本はどうすべきなのか。(石井紘人 @ targma_fbrj)

  • 東京五輪サッカー男子準決勝で(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)
    東京五輪サッカー男子準決勝で(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)
  • 東京五輪サッカー男子準決勝で(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

「中2日」疲労回復術はコレだ

   中山雅史、服部年宏、久保竜彦――。元サッカー日本代表の名選手を見てきた動作解析のスペシャリスト・夏嶋隆氏に、銅メダルをかけたメキシコ戦に向けてのポイントを聞いた。

――スペイン戦後、久保建英選手が「(3位決定戦に)切り替えられるほどまだ強くない」と語っていました。多くの選手の本音だと思います。夏嶋先生なら、どのようにマネジメントされますか。

夏嶋 3位決定戦が始まれば、選手の頭は目の前の相手に向かいます。ですが、試合までに体力が回復していないと、徐々に考えがネガティブになります。たとえば、「体が重いな」から始まり、「守備に戻らなくてもいいか」と妥協が生じる。そういう選手が一人でもいると、チームは勝てません。ですが、選手は自ら「疲れています」とは言わないものです。森保一監督やコーチ、トレーナーが一体となって、選手の疲労度を見極めなければいけません。

――どのように疲労をとれば良いでしょうか。

夏嶋 当たり前ですが、バランスの良い食事と睡眠です。ベテランの選手は、そういったルーティンがしっかりしています。だから、若い選手より体はきつかったとしても、試合にはしっかりと回復して臨めるのです。一方で、若い選手は、そういった経験が少ない。それもあって、たとえば数人で集まって、話し込んだりしてしまう。過密日程時に考えるべきは、栄養と休息をとること。メディアなどの雑音が気になっているようではだめです。
 選出された選手の技術に大きく変わりはありません。(試合が)始まる前の過ごし方で、一流と二流に分かれていくと思っています。

文:石井紘人(いしい・はやと)
   ラジオやテレビでスポーツ解説を行う。主に運動生理学の批評を専門とする。著書に『足指をまげるだけで腰痛は治る』(ぴあ)『足ゆび力』(ガイドワークス)など。『TokyoNHK2020』サイトでも一年間に渡り、パラリンピックスポーツの取材を行い、「将棋をスポーツ化した競技『ボッチャ』 ゴルフのパターのような一球集中の技術とメンタル」などを寄稿。メルマガ・自サイトは『週刊審判批評』。
   株式会社ダブルインフィニティ代表取締役でもあり、JFA協力、Jリーグと制作した『審判』、日本サッカー名シーン&ゴール集『Jリーグメモリーズ&アーカイブス』の版元でもある。

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