感染者の7割が接種済み
一方、米国でもワクチン効果の見直しが公表されている。朝日新聞によると、米疾病対策センター(CDC)は、マサチューセッツ州で7月に起きた新型コロナウイルスの集団感染で、感染者の7割がワクチンを接種済みだったとの調査報告書を8月2日までに公表した。
CDCによると、同州バーンスタブル郡の町で7月、大規模なイベントに参加した人たちなどを通じて400人以上が感染。このうちの74%がワクチン接種を完了していた。メーカー別の内訳はファイザー社製が46%、モデルナ社製が38%、ジョンソン・エンド・ジョンソン社製が16%だった。
CDCのワレンスキー所長は調査報告書の公表に合わせて声明を出し、「デルタ株はほかの変異株と異なり、感染すると、ワクチンを接種していても他者に感染を広げる恐れがある」と指摘。この調査結果が、ワクチン接種済みでもマスク着用を呼びかける指針の根拠の一つになったことを明らかにした。
米国内の新型コロナウイルスに占めるデルタ株の割合は、2か月前には1%だったが、現在は80%以上だという。米メディアが入手して公表したCDCの内部文書は、デルタ株の感染力は水痘並みに強いと指摘。CDCは「戦況が変わった」との認識を示しているという。