コロナ感染拡大デパ地下や家電量販店で 生活必需品売り場が危険ゾーンに

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   大阪・梅田の阪神百貨店や、東京の「ルミネエスト新宿」で多数の従業員が新型コロナウイルスに感染していたことが公表された。逐一報道されているわけではないが、実はコロナの急拡大で、このところ都心の百貨店では毎日のように感染者が出ている。家電量販店なども含めて、各大型商業施設は対策に追われている。

  • 感染拡大に歯止めがかからない状況は心配だ
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毎日10人前後

   大阪市北区の「阪神梅田本店」では2021年7月26日以降、従業員など115人の感染が分かり、31日から2日間全館臨時休業した。関西テレビによると、感染者の8割は、食品売り場の従業員だった。クラスターだと判明したが、原因はわかっていないという。8月4日段階では、感染者は128人に増え、地下1階と1階の食品売り場は再開していない。

   JR新宿駅東口そばの「ルミネエスト新宿」は8月4日、臨時休業した。朝日新聞によると、7月21日以降、衣料品や飲食の店舗のスタッフら59人の感染が確認されたためだ。感染経路はスタッフの家庭や友人経由だと判明しており、クラスターではないという。逆に言えば、クラスターではないのに一施設で50人以上が感染するという異常事態となっている。

   さらに8月4日夕には、日本テレビが「伊勢丹 1週間で73人感染 一部売り場休業」を報じた。伊勢丹新宿店では、7月末から従業員の感染が増え、8月3日までの1週間は、毎日10人前後の感染が判明。感染者の多い食品売り場では洋菓子や総菜など15のショップが休業しているという。

都心の百貨店で多発

   都心の百貨店のウェブサイトには連日、従業員の感染状況が掲載されている。例えば、伊勢丹新宿店を見ると--。

「8月1日、本館地下1階フロア(食品)の勤務者6名、本館4階(宝飾)の勤務者1名の計7名が、新型コロナウイルスに感染していたことが判明いたしました」
「8月2日、伊勢丹新宿店本館地下1階フロア(食品)の勤務者8名、本館1階(婦人雑貨)の勤務者2名、本館2階(化粧品)の勤務者2名、本館2階(婦人服)の勤務者1名、メンズ館地下1階の勤務者1名、周辺ビルの勤務者2名の計16名が、新型コロナウイルスに感染していたことが判明いたしました」

   三越は、「8月3日、三越銀座店の本館5階フロア(紳士部門)の勤務者が新型コロナウイルスに感染していたことが判明いたしました」。

   日本橋高島屋は「8月3日、日本橋高島屋S.C.において、専門店の従業員1名が新型コロナウイルスに感染していたことが判明いたしました」。

   東武百貨店は「8月3日、池袋店の勤務者1名が新型コロナウイルスに感染していたことが判明いたしました。当該勤務者は、食品フロアに従事する取引先従業員であり、勤務中はマスクを着用し、アルコール手指消毒等の感染拡大防止策を施しておりました」。

   松屋は「8月1日、銀座店地下1階 食品フロアに勤務する取引先従業員1名、銀座店1階 婦人フロアに勤務する取引先従業員1名の計2名が新型コロナウイルスの感染検査で陽性であることが確認されました」。

身近なところにコロナ

   東京ではデルタ株のまん延で、毎日のように3000~4000人の感染が発表されている。といっても人口が多いので、いったい誰がどこで感染しているのかということが今一つピンとこない。しかし、こうした百貨店のウェブサイトの報告を見ると、身近なところでコロナが横行していることがわかる。

   とくに百貨店では「食品売り場」が要注意ゾーンになっていることに気づく。閉店間際になると、値下げ品を求めて、客が急増する。マスクはしていても従業員は呼び込みの声を大きくせざるを得ない。緊急事態宣言も、最初のころは緊張感があり、買う側も売る側も言動を抑制気味だったが、最近はすっかり平時に戻っているところが多い。従業員の感染は、客にとってもリスクだ。

   百貨店以外でも、多数の客が集まるところで感染者が増えている。例えば家電量販店。ビックカメラのサイトを見ると、「8月3日 有楽町店」「8月1日 池袋本店」「8月1日 有楽町店」「7月31日 有楽町店」「7月31日 ビックロビックカメラ新宿東口店」「7月31日 池袋本店」と、「新型コロナウイルス感染者の発生について」の報告が目白押しだ。

   ヤマダ電機やユニクロなども、全国の店舗で毎日のように感染者が出ている。やはり、サイトで感染概況を確認できる。

消毒後は平常営業

   各社の対応の中で、際立つのは阪神百貨店だ。運営するエイチ・ツー・オーリテイリングによると、約2000人にPCR検査を実施したこともあって、感染者数が膨らんだようだ。

   関西テレビの3日の報道によると、エイチ・ツー・オーリテイリングは、「対策を強化していたにもかかわらず、多くの感染者が出たことに驚愕している。換気の強化やPCR検査の実施、科学的な調査などを進め、全館の営業再開に向けて全力で取り組む」としている。

   都内の百貨店では、感染者が出ると、「当該勤務者の行動を特定し、適切に消毒・清掃を行った上で、翌日は通常通り営業」というところが多い。かなりのコストをかけ、検温、マスク着用及びアルコール消毒等の感染拡大防止策も講じていたのになぜ感染者が出たのかという悔しい思いも垣間見える。中には館内の客数を常時明示している店もある。しかし、阪神百貨店のように、感染判明後に関係従業員のPCR検査などさらに詳しい検査をしたら、感染者がもっと増える可能性もありそうだ。

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