政治家の世襲 牧太郎さんは問う「DAIGOは支持されるか」

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選挙区は領地なのか

   「支持されるだろうか」と言われたって、DAIGOは困惑するだろう。おじいちゃんが総理大臣だったというだけで、そもそも政治家向きのキャラとは思えない。

   さて内藤さんである。34歳での退社から選挙まで半年もなかった。中選挙区時代の旧福岡1区は定数5。そこに10人が立候補する乱戦だった。無所属で出馬した内藤さんは大差の最下位で、惜しくもない結果に。ちなみに、この衆院選で同じ選挙区から無所属として初当選したのが、自民党幹事長などを歴任した山崎拓さんである。

   内藤さんについては「竹下姓なら勝てた」という分析もあったようだが、4年後の衆院選には出ていない。自らは裏方として、義父を首相に押し上げることに尽くそうと早い段階で腹を括ったとみられる。

   牧さんは内藤さんの話から竹下後継、さらには二世三世ばかりの政界の現状に展開し、「日本の政治が三流化している原因は世襲議員だらけ!」の結論に達する。要するに世襲批判のコラムである。引き合いに出されたDAIGOは流れ弾に当たったようなものか。

   もちろん自民党を中心に、政治家を「家業」とするような議員や「ファミリー」が増えたことは政治劣化の一因、というより主因かもしれない。そのまた背景には、選挙区を領地か王国のようにしてしまった小選挙区制がある。

冨永 格

冨永格(とみなが・ただし)
コラムニスト。1956年、静岡生まれ。朝日新聞で経済部デスク、ブリュッセル支局長、パリ支局長などを歴任、2007年から6年間「天声人語」を担当した。欧州駐在の特別編集委員を経て退職。朝日カルチャーセンター「文章教室」の監修講師を務める。趣味は料理と街歩き、スポーツカーの運転。6速MTのやんちゃロータス乗り。

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