外出制限は実現可能か
京都産業大学法学部の中山茂樹教授は、大学公式サイトの21年6月9日付の記事で、ロックダウンや憲法について解説している。日本の憲法は「移動の自由」や「集会の自由」といった基本的人権を保障している一方で、「正当な公共の利益を得る目的があれば、そのために必要かつ合理的な人権制限は認められ」ると指摘する。
国民の生命や健康を守るために、行政が外出制限などを含む強い規制を行うのは、「国会がそのような権限を行政に与える法律を定めれば可能」という。
ただ、人々の自由を強く制限したことで本当に目的の役に立つのか、権利を制限することで得られる「公共の利益」とのバランスはとれているかといった点で、国民への説明や議論、法律の内容の「厳しい吟味」が必要になる。「大規模な人権制限を政策的選択肢とするだけの立憲国家としての準備が日本にあるのかが問題となる」とした。