入国者に厳重チェックのはずが
デルタ株については、日本でも拡散リスクが指摘されていた。そのため外務省は4月23日発表の「新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について」でインドやネパール、パキスタンなどを「上陸拒否対象国・地域」に指定。5月1日には、インドからの入国者・帰国者は、「検疫所長の指定する場所で待機」、「入国後3日目に改めて検査」を受ける体制に移行した。
このように「水際作戦」が強化されたにもかかわらず、デルタ株は日本に入り込み、今日の未曽有の状況となっている。
現在のところ、日本でラムダ株は見つかっていないという。しかし、「水際作戦」は完ぺきではない。日本入国後に、位置情報の報告に応答しない人が少なくないことは、多くのメディアで指摘されている。厳重なチェック体制に基づいて入国したはずの五輪関係者の間からも、感染者が毎日のように発表されている。
ほかにも変異株は次々と見つかっている。「フォーブス」によると、イングランド公衆衛生庁(PHE)は先ごろ、複数の国で感染が確認されている新型コロナウイルスの新たな変異株「B.1.621」を「調査中の変異株(VUI)」に指定、変異による影響を明らかにするための調査を開始した。
「B.1.621」は今年1月、コロンビアで最初に確認された。英国内では7月21日までに少なくとも16人の感染が確認されている。日本も含めた23か国から、「B.1.621」が検出されており、感染は明らかに、国際的な広がりをみせているという。