東京オリンピックは2021年7月30日、大会8日目を迎え全日程の中盤に差し掛かった。初日からきょうまで、日本の選手は各競技で大活躍だ。
中継では、多くの感動の場面が伝えられてきた。一方で、ちょっとしたハプニングや、選手の素顔がふっと現れたシーンも。J-CASTトレンド編集部では独断で、前半戦のハイライトを5つ選んでみた。皆さんの心に残った競技・場面はどれですか?
上野由岐子39歳、西矢椛13歳
ソフトボール:13年ぶりの感動金メダル
2008年の北京五輪を最後に、五輪競技から除外されたソフトボール。東京五輪で13年ぶりの金メダルを目指し、日本代表は決勝で宿敵・米国と相まみえた。先発は、北京・金メダリストの鉄腕・上野由岐子投手。初回に失点のピンチを切り抜けると、米国打線を5回までゼロに抑え、後藤希友投手にマウンドを譲る。打線は4回、5回に1点ずつをとり、2-0に。6回、米国の攻撃は1死一、二塁。ここで三塁強襲の当たりを山本優選手がはじくと、遊撃手の渥美万奈選手がノーバウンドで好捕、飛び出していた二塁走者を刺してダブルプレーとなり、無失点で切り抜けた。そして最終回。上野投手が再登板すると米国打線を3者凡退に抑えゲームセット。13年越しの金メダルをつかみとった。
柔道:初日からメダルラッシュ、「兄妹で金」も
日本のお家芸・柔道は男女とも金メダルラッシュに沸いた。男子は競技初日の60キロ級・高藤直寿選手から3階級連続。女子も70キロ級の新井千鶴選手、78キロ級の浜田尚里選手が連日の金だ。7月30日までに金銀銅合わせて11個を獲得している。なかでも、柔道男子66キロ級・阿部一二三選手と、女子52キロ級・阿部詩選手の兄妹そろっての金や、男女合わせて、日本柔道史上7人目の五輪連覇を成し遂げた男子73キロ級・大野将平選手は、大きな話題になった。大野選手と阿部一二三選手は、畳上での振る舞いにも注目が集まった。「礼の精神」を忘れないその姿に、賞賛や関心など、高く評価する声が寄せられた。
スケートボード女子ストリート:13歳が金「真夏の大冒険」
スケートボードは、東京五輪の新競技だ。西矢椛(にしや・もみじ)選手は、日本史上最年少の13歳で金メダルを獲得した。決勝、西谷選手がトリックを決めると、実況のフジテレビ・倉田大誠アナウンサーが「決まったー。13歳、真夏の大冒険」と絶叫。解説を務めた瀬尻稜選手の「はんぱねえ、やべえ」「さすがっすね」などの型破りな言葉づかいも話題になった。翌日、メダルを首から下げて記者会見に臨んだ西矢選手。金メダルのご褒美に考えているものを問われ、ひとこと「焼肉です」。
「金」1人で2つ、2人で1つ、どちらも尊い
競泳女子:大橋悠依、涙と笑顔の「2冠」
日本競泳女子初の2冠を果たした、大橋悠依選手。最初の金メダルは、400メートル個人メドレーだ。決勝の舞台、バタフライは順調な滑り出し。背泳ぎで先頭に躍り出ると、平泳ぎではその差を広げる。最後の自由形は追い上げられながらも逃げきった。レース後は涙を浮かべ顔を覆う場面もあった。それから3日後、2冠の期待を背負っての200メートル個人メドレー。決勝は最初のターンを4位で迎える。背泳ぎ、平泳ぎで2番目に上がると、最後の自由形で、米国のアレックス・ウォルシュ選手とデッドヒート。最後はタッチの差でかわし、見事レースを制した。400メートルとは一転、笑顔あふれる金メダルとなった。
卓球混合ダブルス:ハグは拒否でも...「みまじゅん」初代金
今大会からの卓球新種目・混合ダブルスに挑んだのは、水谷隼選手と伊藤美誠選手の12歳差「幼なじみコンビ」だ。準々決勝のドイツ戦、最終第7ゲームで一時は2-9と窮地に追い込まれる。それでも土壇場で盛り返し、最後は16対14と大逆転劇を見せた。決勝は、2019年世界選手権の混合ダブルスで金メダルを獲得している、卓球王国・中国ペアだった。最初の2ゲームを連取されるも、フルセットの激闘の末に金メダルを勝ち取った。初代チャンピオンとなり喜びのあまり抱き合った場面、伊藤選手が若干「拒否」気味だったのが、笑いを誘っていた。