デルタ株への有効性にも差
政府がアストラゼネカ製の使用を検討しているということについては、「ファイザーとモデルナの追加調達に目処が立っていないんだろう」と見る人が少なくない。「責められるのが嫌で急にこんな提案を出してきた。安心安全が聞いて呆れる」というわけだ。
「40歳以上の分別がついた大人の誰に、わざわざ性能の低いワクチンを打ちたいと思う人間が居るのだろうか? 厚労省もいい加減国民を舐めるのは辞めてもらいたい」という声もあった。
気になるのは猛威を振るうデルタ株に対する有効性だ。「フォーブス」が26日に報じたところによると、イングランド公衆衛生庁(PHE)は7月21日、約1万9000人を対象にした調査の結果を公表。2回の接種を完了した後のワクチンの発症予防効果は、ファイザー製がデルタ株に対して88%。アストラゼネカ製は67%だった。
各メディアの報道によると、日本では今回の第5波で40~50歳の人たちに重症者が増えているのだという。ところが64歳以下のワクチン2回接種率は28日現在、まだ3.1%にとどまっている。このためアストラゼネカ製も利用して、接種率を上げたいというのが政府側の思惑のようだ。30日の厚労省のワクチン分科会で専門家の意見を聞くことになるという。