おいしい桃が多く出回る時期になっている。福島県、山梨県、和歌山県、岡山県の桃を食べ比べつつ、各地の生産者による品種の魅力説明を聞けるイベントが2021年7月26日にユーチューブで開催された。果物のある生活を提唱するコミュニティ「FRUIT LOVERS LIFE」と、JAグループが共同で設立した「Ag Venture Lab」による「桃サミット 2021 オンライン」だ。
イベントでは、タカノフルーツパーラー・チーフフルーツクチュリエの森山登美男氏が桃のカッティングやアレンジ法なども実演した。
噛んだ瞬間、果汁「じゅわっ」
開催日までに「豊洲市場ドットコム」から届く「桃の食べ比べセット」を楽しみながら、記者もサミットを視聴した。内容は以下の通りで、(税・送料込み)4000円だ。箱を開いた瞬間、甘く優しい果実の香りが広がった。
・福島県、山梨県、和歌山県、岡山県の極上の桃各 2 個入り 合計8個
・大分県産かぼす 2 個
・新宿高野フルーツチョコレート(白桃×シャインマスカット)75グラム 1袋
まず、福島県産。盆地特有の蒸し暑い気候と、水はけの良い砂地の畑が育成に最適で、桃を甘く育てるという。代表的な品種である「あかつき」をはじめ、総じて高糖度に仕上がるそうだ。
一口噛んだ瞬間、じゅわっと果汁があふれた。申し分ない甘みで、肉厚。食べ応えもあった。
山梨県産も、同様に盆地気候であることからジューシーで高糖度な桃に育つ。見た目にもこだわっているのが魅力だ。
ローズカットにしたから、というわけではないが、バラのような芳醇な香りがした。しっかりとした甘さもある。桃を二つ食べ終えたところで既に満腹感があった。
夏にもってこいの「かぼす味変」
和歌山県産は、7月下旬から旬になる「川中島白桃」がおすすめだと、和歌山県農協連の藏道徳生専務理事が語る。甘さが十分あり、果肉がしっかりしていて歯触りが良いのが特徴だ。
セットについてきた「大分県産かぼす」をかけて食べてみた。森山氏曰く、皮を下にして少ししぼってかけると香りがより楽しめる。そのまま食べても味に深みがあったが、かぼすをかけると爽やかな酸味によって甘さが一層引き立つ。夏にもってこいの食べ方だ。
最後に岡山県産。収穫されるまで袋をかける栽培方法により、果皮が白く、上品な雰囲気になる。冷やしすぎると甘さより冷たさが勝ってしまうため、食べる寸前に30分~1時間冷やすのがよい。
果肉は柔らかく、とろけるような食感だ。酸味は少ない。カットせずに、一個丸ごとかぶりつきたくなる甘さだった。
同じ桃でも、産地によって味わいが異なり、どれも甲乙付けがたい。生産者の思いや、手元に届くまでの行程を聞くと、尚のことおいしさが増すようだった。
サミット終盤で森山氏が説明した切り方、洗い方に気をつけて下ごしらえし、盛り付けると、一段上の楽しみ方ができる。「桃のパフェ」「桃のグラニテ」といったデザートだけでなく、桃のドレッシングをかけて食べる「桃のパワーサラダ」など一品料理と言えそうなレシピも紹介された。
同サミットは「桃の食べ比べセット」購入者でなくとも無料で視聴可能。FRUIT LOVERS LIFE公式ユーチューブでアーカイブ配信されている。