大正製薬・ネイチャーラボが共同研究 新成分の組み合わせが白髪や薄毛に有用な可能性あり

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   大正製薬は、2021年7月15日にネイチャーラボと共同で毛髪最新研究発表会をオンラインで開催した。毛髪のミトコンドリアに作用する素材について探索し、その有用性や可能性に関して発表したものだ。

   ミトコンドリアとは人間などの生物の細胞内に存在し、タンパク質の合成やエネルギーの供給などを担っている小器官だ。アンチエイジング(老化を防ぐこと)の研究領域では近年、このミトコンドリアに注目が集まっている。

  • 大正製薬・セルフメディケーション開発研究所のメンバーと、ネイチャーラボ・セルラボ所属の竹岡篤史氏(右端)
    大正製薬・セルフメディケーション開発研究所のメンバーと、ネイチャーラボ・セルラボ所属の竹岡篤史氏(右端)
  • 大正製薬・セルフメディケーション開発研究所のメンバーと、ネイチャーラボ・セルラボ所属の竹岡篤史氏(右端)

素材の組み合わせで約40%が「白髪が減少したように感じた」

   大正製薬はこれまで、学習院大学理学部の柳茂教授との共同研究の中で、ミトコンドリアの形態制御や品質管理などに関わる分子「ミトコンドリアユビキチンリガーゼ(MITOL)」が、毛髪や皮膚のアンチエイジングで重要な働きをすることを解明してきた。

   MITOLは若返りに重要な役割を果たすが、今回の発表によると、このMITOLの発現を高める「ボタンピエキス」という植物から抽出されるエキスが、毛髪のメラニン(黒い色素)を維持し、毛髪の成長期を延長する可能性を見出した。つまり、「ボタンピエキス」が白髪や薄毛といった毛髪のエイジングに対して有用である可能性を発見したのだ。

   また、ネイチャーラボは「ブラックリバース」という白髪を黒髪にもどす技術を有しているが、この技術で使われている「ブラックリバースペプチド1」という物質が、ボタンピエキスによる毛髪メラニンへの作用をさらに増強することを確認したという。

   これらの効果を検証するべく、テストを行った。白髪のある30〜60代の男性を対象に、「ボタンピエキス」と「ブラックリバースペプチド1」を組み合わせて生活の中で使用させた。結果として、42.9%(655人中)が「白髪が減少したように感じた」と回答したとのことだ。

   さらに、25.7%(536人中)が「髪の毛の量が増えた」と答え、毛の量が増えたという人のうち68.1%が「白髪も減った」と評価したという。

   今回の発表では、「ボタンピエキス」と「ブラックリバースペプチド1」の組み合わせが白髪や薄毛といった毛髪の若返りに有用である可能性が示唆された。大正製薬は今後もMITOLの新たな機能や、MITOL発現を促進させる素材の作用について研究を続けていくという。

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