「ガッツポーズ」はルール違反か
勝利後に派手に喜んではいけないというルールはあるのか。国際柔道連盟(IJF)試合審判規定を見ると、「ガッツポーズ」を禁じたり、喜んではいけないと指示したりする文言は見受けられない。ただ、反則負け(重大な違反)の覧には、
・相手を傷つけたり危害を及ぼしたり、あるいは柔道精神に反するような動作をすること
・特に頸や脊椎・脊髄など、相手を傷つけたり危害を及ぼしたり、あるいは柔道精神に反するような動作をする
とある。
「柔道精神」の具体的な中身は読み取れないが、柔道の研究・指導機関である講道館の公式サイトは「人間形成を行う柔道では、礼の精神は欠かせない」と強調している。相手があってこそ学ぶこと、試合をすることができるという考えのもと、「相手となる人には、特に礼をつくすべき」だという。
ただ「練習や試合の場では勝敗にとらわれて、興奮のあまりともすれば粗暴な動作に陥りやすい」。そのような時にこそ、「心を平静にして、礼の精神ととるべき態度をかえりみ、自らを律することで、心身ともに鍛えられ、修行上の効果も大きいといえる」。試合を終えた後も礼を忘れるな、ということだろう