酒を飲んで小型無人機「ドローン」を飛ばした男性が、航空法違反容疑で書類送検された。複数のメディアが2021年7月16日に報じた。
飲酒運転が禁じられているのは、自動車だけではないのだ。ドローンのように、酒を飲んでの運転や操作が法律で禁止されているものはほかにもある。
「車両等」に含まれる乗り物
毎日新聞の7月16日付記事によると、飲酒したうえでドローンを飛ばし摘発された例は、全国で2例目。ドローンは、2019年に成立した「改正航空法」で、飲酒や薬物の影響下での操縦が禁止された。
一方、道路を走る乗り物では、道路交通法第65条第1項で「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と規定されている。「車両等」に含まれる乗り物は、何があるだろうか。
自転車は運転免許がなくても乗れるが、道交法では軽車両の扱いとなるため飲酒運転はしてはならない。実際に2018年9月、福岡県で酒に酔って自転車を蛇行運転していた女性が現行犯逮捕されている。当時、読売テレビなどが報道し、「自転車でも逮捕されるのか」とツイッターでは話題となった。
キックボードに電動モーターを装備した「電動キックボード」も、道交法上では「車両」に該当する。車両区分に応じた運転免許が必要で、飲酒運転も禁止だ。2021年6月18日付朝日新聞デジタルは、電動キックボードを無免許のまま、酒に酔った状態で運転したとして、35歳の男性が道交法違反の疑いで現行犯逮捕された、と報じている。
電動立ち乗り二輪車「セグウェイ」は、日本では現状では一部を除いて公道での走行が認められていない。ただ、海外では認められている国もある。ノルウェーでは、2014年7月にセグウェイを運転していた男性が、飲酒運転の疑いで逮捕されたと地元紙が報じた。
「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」
飲酒運転には、「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」の2種類がある。大阪府警の公式サイトによると、酒酔い運転は、身体に保有するアルコール量にかかわらず、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態の人を指す。酒気帯び運転は、身体に保有するアルコールの程度が呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上、又は血液1ミリリットル中0.3ミリグラム以上の状態の人を指す。
ただ、自転車では、飲酒運転は禁止されているが、違反をしても必ず罰則があるというわけではない。道交法第117条では、酒気帯び運転の罰則を示した条文に「軽車両を除く」と明記されているためだ。しかし、同法同条の2によると、酒酔い運転については軽車両も含まれているため、該当すれば罰則がある。
ローラースケートやスケートボード、一輪車はどうか。これらは、車輪がついているが、軽車両には含まれていない。そのため飲酒運転に伴う規制の対象にはならない。