小学校の校庭や公園などで開かれるラジオ体操会に参加したことはあるだろうか。新型コロナウイルス禍で外出しづらくなった昨今だが、東京都・新宿中央公園(新宿区)では、2021年7月現在もラジオ体操会が開催されている。
コロナ禍で健康意識が高まりつつある今、ラジオ体操会はどのように行われているのか、現状を見てきた。
ラジオ体操は毎日実施
2021年7月16日の朝6時、新宿中央公園の「水の広場」を訪れた。東京都庁などの高層ビル群のすぐ近くだ。すでにラジオ体操のボランティアスタッフが準備をしている。来園者を見かけるたび、「おはようございます」と声をかける。
だんだん一般の参加者が増えてきた。高齢者が多いが、20代~30代の人も数十人みられる。軽装の人が多い。毎日参加している人がほとんどのようだ。
体操場所の「水の広場」は、人工の滝などもある広場。まだ朝早いせいか、夏の日差しは厳しくない。
6時10分には、ラジオ体操前のストレッチが始まった。このころには参加者はおよそ100人ほどに膨らんでいた。ラジオ体操は、6時30分に始まった。
コロナ禍のラジオ体操は、壮観だった。水の広場の中央には、ソーシャルディスタンスへの協力を呼び掛ける看板が置かれている。参加者はこれを徹底して実践し、約2メートルの間隔を空けていた。水の広場の両側は、公園へ続く階段にはさまれているが、参加者はこの階段スペースも活用し、大きく広がって体操に励んでいた。
「新宿中央公園ラジオ体操会」の廣川貞雄会長に話を聞いた。今回のようなストレッチやラジオ体操は時期を問わず「365日」、早朝に実施されている。参加者にはひとり世帯の高齢者も多いという。ラジオ体操を開催していく中で、人々のコミュケーションを増やし、「孤独死を無くす」が活動の目的だと明かした。