日本の高校から、アジアのトップ大学を目指す若者が出始めている。茨城新聞は2021年6月30日、茨城高卒業の阿部愛琳さんが中国の清華大と北京大に合格したという記事を配信した。海外の大学に直接進学する高校生は増えているが、欧米の大学ではなく、アジアの名門大学を目指すケースはまだ珍しい。
「将来は中国と日本の懸け橋に」
茨城新聞によると、阿部さんは、アジアで1、2を争う難関大学、中国・北京の清華大と北京大の両方に現役合格した。
日本人の父親と中国人の母親との間に日本で生まれ、2~5歳までは清華大の教授を務めていた中国の祖父母の元で過ごした。帰国後は水戸市立千波小を経て、茨城中高に入学。中国語は話したり聞いたりすることはできたが、読み書きが全くできず、語学教室に通いつつ、母親からも学んだという。
中学時代から長期休暇を利用し、米国やカナダなどの短期留学を経験して英語も習得。中国の大学を志望したのは「中国には日本のような敬語がなく、性別や年齢にかかわらず和気あいあいとコミュニケーションが取れる環境に魅力を感じた」ことが理由だと語っている。
中国と日本の両国の文化や価値観を肌で知っているからこそ、両国間で抱える外交問題などを解決したいという思いが強まり、「将来は中国と日本の懸け橋になるような仕事に就きたい」と夢を膨らませているという。記事配信時点では、まだに入学先は検討中とのことだった。