東京で新型コロナウイルスの新規感染者数が、専門家の予想を上回るスピードで急増している。特に注目すべきは、前週の同じ曜日と比べた増加者数に拍車がかかっていることだ。さかのぼると、曜日によっては倍々になっている。
このペースで増えると、来週以降、これまでに経験したことがないような感染爆発が起きかねないと、専門家は改めて警告している。
火曜日、木曜日に
東京では2021年7月15日、1308人の感染が確認された。2日連続の1000人超え。NHKは「1週間前の木曜日からおよそ400人増えていて、感染の急拡大が続いています」「15日までの7日間平均は882.1人となり、前の週の132.9%となりました」と報じた。
もう少し詳しく木曜日の感染者数を辿ると、1週間前の8日は896人、さらにその前の1日は673人、さらにその前の6月24日は570人。一週間ごとの増加者を見ると、103人→223人→412人と、ほぼ倍々になっていることがわかる。
同じような傾向は、火曜日にも当てはまる。感染者の人数は435人(6月22日)、476人(29日)、593人(7月6日)、830人(13日)と増えてきた。増加者数は、41人→117人→237人と、こちらもおおむね倍々の増え方だ。
すべての曜日がこうした「倍々ペース」になっているわけではないが、前週の同じ曜日の感染者数を上回る日が続いている。
感染の半分強が20、30代
東京では14日までの検査で、累計1297人のデルタ株感染が確認された。朝日新聞によると、感染者に占める割合は6月27日までの1週間が14.7%。7月4日までの1週間が21.5%。現状では感染者の約3割が、感染力が強いといわれるデルタ型になっていると見られる。
年代別では感染者の半分強が20代と30代だ。60歳以上は1割弱と少ない。すでに2回のワクチン接種を終えている人が増えていることによると見られている。逆に言うと、もしワクチンの接種がもっと遅れていたら、高齢者層の感染者数が増え、全体の人数も膨らんでいた可能性がある。
東京都が8日に開いた新型コロナウイルスのモニタリング会議で、専門家は、このままの感染拡大が続けば4週間後の8月4日には1日当たりの新規感染者数が約1500人となるとの予測を示していたが、現状はそれ以上のハイペースといえる。
NHKによると、東京都の小池百合子知事は15日夜、都庁で記者団に対し、「とてもスピードが速いことを実感する」「危機感を共有したい」と語っている。