はつめ「親に土下座」で進路変更 友達に煽られて人生変わった

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【連載】はつめ降臨 成長する連載「第一形態」

   高校1年生のとき、はつめさんは東京・秋葉原の「イースポーツスクエア」を初めて訪れ、そこで多くの経験、出会いを重ねました。「あの場所がなかったら今の活動も、人脈もなかったので本当に感謝してます」と、前回振り返っていました。

   高校生活の後半で、いよいよ大きな転換点がやってきます。はつめさん本人のぶっ飛んだ行動も――。この後、ドラマチックなエピソードが次から次に出てきます。

  • 高校時代のはつめさん
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「SNSいますぐやめろ!」

いしたにまさき:前回の続きということで、はつめさんの高校時代がそろそろ終わるというタイミングです。

はつめ:まず、一回目の連載の自己紹介で「炎上マン」って言ったと思うのですが...。

いしたに:そういえばそうだった。

はつめ:個人的な過去最大の炎上が高校2年生...3年生かな。格闘ゲームを初めてすぐに、とある企画に参加して炎上しまして。

いしたに:はいはい。

はつめ:千葉県出身で、県内の高校に通っていたのですが、学校を特定されて千葉の教育委員会に連絡がいって、校長室に怖い先生いっぱい呼ばれたりとか。「SNSいますぐやめろ!」って言われて...。

いしたに:それはいやな話だなあ(笑)。

はつめ:「いや、無理です」って言ったんですけど。あの時アカウント消してたら多分、今の自分いないです。

いしたに:そりゃそうですね。

はつめ:これがターニングポイント1です。

いしたに:ターニングポイント、1個じゃないのね(笑)。

ピキってきちゃって

はつめ:ここからが結構面白いというか、ロックな話で。実は当時、社会科の教員になるのが夢で、上智大学の哲学科に行きたいナ~と思ってたんですが...。

いしたに:ほほー、意外な話。

はつめ:ある日、何を思ったのか「プロゲーマーに仕事を与える仕事に就きたい!」と思い、広告代理店系の就職が狙えるマーケティングとか商学部とか、そっち系に突然路線を変えました。当時のプロって、やっぱり仕事が本当になくて専業でできる人なんてほぼいなかったので、もっとプロゲーマー業界を盛り上げたいと思って。

いしたに:それはコミュニティーの中にいたり、運営側にいたりしたことがあるはつめさんらしい進路変更だと思います。なんにもおかしくない。

はつめ:そこで、当時のバイト先であるイースク(イースポーツスクエア)で入試の準備をしてたんですよ。一応AOで入試の予定だったので、当時の人脈を使って「イースポーツ業界が求める人物像とはなにか」みたいな発表をAOでしたくて。
 で、バイト先で仕事終わりにいろいろまとめてた時に、当時仲の良かった格ゲー友達がふらっときて、「へ~、お前プレイヤーあきらめるんだ」みたいなこと言われて...。

いしたに:煽りだ(笑)。

はつめ:ピキってきちゃって、めちゃめちゃ悔しいなって思っちゃって。

いしたに:いいですねえ(笑)。

はつめ:その日、家に帰って親に土下座しました。大学行くのやめますって(笑)。

いしたに:わははは、ロックだ(笑)。

はつめ:なかなかロックでしょ。

いしたに:すてきだ。

「企業のPRの手伝いはできる」即行動

はつめ:学校の先生に「内申書準備したのに!!なんで!?!?え?!?!」みたいな反応されて...。でも、そこからの行動力がわれながら偉くて。当時、正直プロになれる実力なんてなかったんですよね。まあ現役時代ずっとそうだと自分では思ってるんですが。

いしたに:ふむふむ。

はつめ:なので、どうしたらプロへの道を歩めるか考えたときに、とりあえずSNSの力を使って企業のPRの手伝いはできると。

いしたに:冷静(笑)。

はつめ:女性で、プロゲーマーの競技シーンにいて、かつSNSの使い方が若い世代に向けてできている人って少なかったので。

いしたに: はい、それはいまだに少ないですからね。

はつめ:そこで唯一無二を取れるかなともって、当時営業資料を作って名刺を作って、バイト先の人脈等を使っていろいろな企業にアポを取って、(プロへのサポートを依頼しようと)売り込みに行きました。高校三年生の女の子一人で、我ながらロックだなと思います。

いしたに:ロックなのか、ただの仕事ができる子なのかわかりませんけど(笑)。

はつめ:バイト先が既に業界系ではあったので、東京ゲームショーのビジネスデーとかで、派遣として働けていたんですよね(笑)。それで、バイト先の皆さんも協力してくれて、たくさんの企業の方を紹介してくださったりして、本当に感謝してます。

いしたに: その辺はお見事としか言えないんですけど、ただ方向転換のきっかけが友達の煽りだったというのは、ロックですね(笑)。

はつめ:ゲーマーの悪いところ出た感じある。

いしたに:そして、煽りにのっかってしまってから、急に冷静になるっていうのが、実におもしろい。

(次回に続く)

はつめ
現在フリーのストリーマーとして活動している元プロゲーマー。高校時代にesports業界へ飛び込み、18歳にプロ契約。格闘ゲームのプロゲーマーとして、全世界で行われるCAPCOM Pro TourやEVOへも参加。2020年頃よりApex Legendsのゲーム実況をはじめ、当時の最高ランクに昇格するなど、FPSでも活躍している。米国発スポーツアパレルブランド「Kaepa」のブランドアンバサダーを務めている。テレビ番組「お願いランキング!」「王様のブランチ」「マツコ会議」への出演をはじめ、新聞やメディア出演も多数。
Twitter:https://twitter.com/hatsumememe
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCq1FEiGmyh-52yYGeOMTVLA

いしたにまさき
ウェブサービス・ネット・ガジェットを紹介する考古学的レビューブログ『みたいもん!』管理人。2002年メディア芸術祭特別賞、第5回Webクリエーションアウォード「Web人ユニット」賞受賞。著書に2010年11月に単著「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である(技術評論社)」など共著も多数。2011 年9月より内閣広報室・IT広報アドバイザー就任。同年アルファブロガー・アワード受賞。「ひらくPCバッグ」などネット発のカバンデザインも好調。ひらくPCバッグで2016年グッドデザイン賞受賞。Evernote ECL・ScanSnapアンバサダー・HHKBアンバサダー。Yahoo!ニュース個人オーサー。
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