もう一人の自分と常に対話
――五輪でのサッカーは、いつから覚えていますか。
中山:知ったのは幼少期ですが、その時は漠然としていましたね。記憶にあって、しっかりと見ていたのは、2012年のロンドン五輪です。その時がU-16日本代表に選ばれたくらいのタイミングなので、自分も出場を目指す大会だとも思っていました。
――今日のインタビューもそうですが、過去のインタビューを読んでもキャプテンとしての風格が伝わってきます。元日本代表キャプテンの長谷部誠選手(アイントラハト・フランクフルト)でいう「心を整える」ように、何かを意識されていたりしますか?
中山:「何言っているの?」と思われるかもしれませんが、僕の中にもう一人自分がいて、自分の中で常に会話しています。もう一人の自分が、自分に問いかけてくるのです。それにより、良い時も悪い時も、自分を見つめ直す時間が作れています。
先ほど話したような「挫折」の経験があって、そこからどのように改善すれば、人としても、サッカー選手としても大きくなれるのだろうかと考えた時に、自分に対して反省の目を向けました。それを続けて、いつの間にか習慣になった。僕の中では欠かせない時間です。
――今回のインタビューは、サッカーを見たことない読者の目にも触れると思います。中山選手の特徴や、このプレーを見てほしいという点はありますか。
中山:結構そういう質問があって、答えられてないんですよね(笑)。だから逆に、サッカーを知らない人は、特に情報を入れず、先入観なく、僕のプレーを見てほしい。そして、僕の魅力を教えてほしいですね(笑)。