サッカー五輪代表・中山雄太の決意 常に全力、その先に金メダルがある

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【目指せ!東京2020】

   経歴だけを見ればエリートだろう。

   東京五輪日本代表メンバーにも、発表前から「当確」と言われていた。各世代別代表ではキャプテンを務めてきた。

   オランダ1部・PECズヴォレの中山雄太選手。

   だが本人は、意外にも「僕のキャリアは『挫折』で作られている」と教えてくれた。(インタビュアー・石井紘人 @ targma_fbrj)

  • 中山雄太選手(写真:Pro Shots/アフロ)
    中山雄太選手(写真:Pro Shots/アフロ)
  • 中山雄太選手(写真:Pro Shots/アフロ)

初の「A代表」で「うまくなれる」

中山:(挫折の)一つ目は、中学三年生で足首を骨折したことです。完治に時間がかかり、大好きなサッカーができなくなるのではという不安、それが辛かった。(「安静にしなければ」と「でもサッカーがしたい」という)葛藤もありました。
 二つ目はFIFA U-17ワールドカップの落選。候補として活動はしていたのですが、本大会には行けませんでした。 三つ目は2019年、日本代表に初選出されたのですが、その経験は自分の現在地を知ることになりました。自分のパフォーマンスが悔しかったし、落ち込みもしましたが、同時にうまくなれるとも思えました。三つ目だけは、けがや落選の「挫折」とは違う、前向きなターニングポイントですね。

――今回は、盤石の状態から東京五輪日本代表に選ばれました。目標を教えてください。

中山:僕自身は金メダルを目指して今までもやってきましたし、これからもそうです。グループリーグ自体(南アフリカ、メキシコ、フランス)も簡単にはいかない相手ですが、その戦い、さらに決勝までのプロセスで、僕たち自身の成長を感じてもらえる大会にしたい。そして、最後は金メダルにたどり着けたら最高だと思います。

――金メダルを目指すとなると、コンディションをどのように作るかもポイントになると思います。初戦に合わせるのか、準決勝くらいに合わせるのか。そういった話はチームでしていますか。

中山:いえ、していません。ただ、森保(一)監督も選手もそうですが、一戦一戦が大事だと思っています。今でいえば初戦に対して全力で臨んで、勝利を飾る。次は二戦目、三戦目。先を見過ぎて目の前にある戦いを疎かにしてはいけません。金メダルというのは、一つ一つの積み重ねの先にあるのかなと思っています。

文:石井紘人(いしい・はやと)
 ラジオやテレビでスポーツ解説を行う。主に運動生理学の批評を専門とする。著書に『足指をまげるだけで腰痛は治る』(ぴあ)『足ゆび力』(ガイドワークス)など。『TokyoNHK2020』サイトでも一年間に渡り、パラリンピックスポーツの取材を行い、「静寂から熱狂そしてリスペクト」などを寄稿。
 株式会社ダブルインフィニティ代表取締役でもあり、JFA協力、Jリーグと制作した『審判』、日本サッカー名シーン&ゴール集『Jリーグメモリーズ&アーカイブス』の版元でもある。

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