ジェンダー・ギャップ解消につながるか 都議会選で女性当選「過去最多」の意味

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「不登校」「高認」の女性弁護士

   今回の選挙では全42選挙区のうち、トップ当選した女性候補が15人いた。その中でとくに注目されている新人が、武蔵野市選挙区の五十嵐衣里さん(37=立民)だ。

   朝日新聞東京版は6日、主要当選者3人を取り上げ紹介している。その中のトップで、ひときわ大きく扱われているのが五十嵐さんだ。定数1の武蔵野市選挙区で、都民ファの現職や自民の新人に倍近い大差をつけて当選した。「五十嵐氏は、自身がいじめや不登校を経験したとして、『誰も取り残さない東京へ』を掲げた」と同紙は選挙戦を振り返っている。

   この記事からは今一つ、五十嵐さんのプロフィールがわからないが、東京新聞はもっと詳しい。五十嵐さんについて、「いじめや不登校、フリーターを経て弁護士になった経験を踏まえ『困ったとき、苦しいときに助け合える社会を一緒につくりたい』と訴え、幅広い支持を集めた」と説明している。

   同紙によると、五十嵐さんは名古屋市出身。中学生の時、いじめに遭い、不登校になった。高校には行かず、飲食店やトラック運転手などのアルバイトで生計を立て、働きながら22歳で高校卒業認定を取得。夜間大学や法科大学院に進み、30歳で司法試験に合格した。コロナ禍で格差の広がりを目の当たりにして「涼しい顔で(弁護士を)続けていけない」と思い、都議選に挑んだという。

   フリーターだった20年前の自分を振り返りつつ、「当時、もしコロナが直撃していたら私は生きていられなかった。今、手を差し伸べなかったら若い時の自分や仲間を見捨てるのと同じだ」と、同紙は五十嵐さんの思いを紹介している。

   コロナの影響もあって投票率は低かった都議選。しかし、コロナゆえに生まれた胎動もあったということになる。

   今回の都議選の女性躍進は衆院選にも影響すると見られている。時事通信によると、自民党女性活躍推進特別委員会(委員長・森雅子前法相)はすでに6月、国政選挙の女性候補の割合を30年までに35%とするという提言をまとめているという。

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