はつめ「高1」で運命を知る 「イースポーツスクエア」との出会い

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【連載】はつめ降臨 成長する連載「第一形態」

   「ドリームキャスト」と同い年――前回、はつめさんは、幼少期のゲームとの出会い、小学生から中学生にかけてハマった対戦ゲームを振り返りました。

   公式大会に出始めると、「秋葉原がガチの聖地でした」と語るはつめさん。当時のアキバの話で、いしたにまさきさんとの対談はますます盛り上がります。

  • 編集部を訪れた、はつめさん
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初対面の女性店長に言い寄る

いしたに:イベントホールで、やっぱ最初に目立ったのはUDXかな。あそこが2006年にできて、そこから、要するにそれまでのアキバにはなかった、人が集まれる場所ができてきたんですよ。それまでのアキバは、イベントやりたくても場所がそもそもなかった(笑)。

はつめ:なるほどね。

いしたに:うん、これ結構バカにできないポイントだと思います。ファミレスに集まる延長レベルの集まりだと、イベントをきっかけに人と人が初めて出会うということはなかなか起きにくい。私は「UDX=駐車場」という認識なんですが(笑)、あそこの駐車場は「痛車」の聖地になってますよね。

はつめ:たしかに。まあ、簡単にまとめて次に行くと、AVAで初めてオフラインの大会とかコミュニティーイベントに自分が運営サイドで関わるようになって、それがきっかけで訪れた秋葉原にある「イースポーツスクエア」って場所で働き始めて、はつめ名義として人前で活動を始めたって感じですね。

いしたに:展開が鬼早いので(笑)、もう少し詳しく聞かせてください。その運営サイドでかかわったのは何歳ぐらいのとき?

はつめ:いや、AVAの大会参加の時はわりとプレイヤーばっかりだったので(笑)、中学三年生の時くらいにイベントで参加者としてお手伝いして(バイト代もらえない年齢なので)、MCやったり、スタッフとして手伝ったり、そんな感じでした。

いしたに:そうか、それで高校生になって働いてもオッケーになるから、じゃあ、働くかと。びっくりするぐらいに自然な流れだ(笑)。

はつめ:高校1年生のとき、そのコミュニティーイベントをイースポーツスクエアで開催することになって初めて会場に行ったんです。「え!!こんなすごいところあるんだ!!働きたい!!!」って言って。

いしたにイースポーツスクエアって、esportsイベントやってるところですよね。

はつめ:その日に初めて会った女性の店長さんに「バイト募集してますか?高校生でも働けますか?」って、めちゃめちゃ言い寄りました。

いしたに:その行動力(笑)。

どうしたらオンリーワンの存在になれるか

はつめ:この件に関して、いろいろ言われてるからちょっと場を借りて少し言いたいのですが...。

いしたに:どうぞどうぞ、遠慮なく。

はつめ:当時、ほかにも高校生の先輩が働いていて、女性の店長さんもとても親身にいろいろな活動を応援してくださいました。途中何度も店長が変わってしまったり、同僚が減ったり増えたりしてしまったのですが、あの場所がなかったら今の活動も、人脈もなかったので本当に感謝してます。イースク(イースポーツスクエア)出身の方で有名なのが、実況解説者の岸大河さん。他にも現役のプロやストリーマーになってる方もたくさんいます。

いしたに:高校生のときにそういう伝説の場所に出会えたのは、もうそれはホントに最高だし財産ですね。

はつめ:イースクが(千葉県)市川から秋葉原に移転してきたばかりで、「新装開店!」みたいなタイミングだったので、たくさんいろいろなイベントや業界の方とお会いする機会があって、そのおかげみたいなところはあります。

いしたに:私もあそこは発表会とかで何度か行ってます。当たり前の話をしますけど、高校生で頭ぶん殴られるような体験しちゃうと人生変わるよねえ。私も高1のときに変わった高3の先輩がいて、そのせいで、今の芸風になってます。

はつめ:今振り返ると、どうしてそこまでうまくいったんだ...ってくらい上手くいきすぎてるというか...不思議ですね。

いしたに:計算して動いてたら、実現しないやつだ。

はつめ:一応いろいろ考えてはいるんですが、基本的に他人と同じことをするのが嫌いで、どうしたら自分がオンリーワンの存在で居られるかを常に考えて、いろいろ選択してきました。そしたらこうなっちゃった。

いしたに:そういうときって、年単位じゃなくて、月単位で状況が変わっていく感じですよね。そうでもない?

はつめ:そうですね...というか、私つい最近まで明日のことも考えられないで生きてたので、その日その時の判断で生きて、翌月になって振り返るとがらっと環境変わってたりとか。なるようになる精神ですね(笑)。

いしたに:こういう話って、すごくうまくまとめて話す人もいるんだけど、それってあと付けだなあと思うことが多くて。渦中にいるときは、その場その場で反射的に動いて、「あれ?なんか気づいたらおもしろいことになってた!」という話の方が正直な話だと思うのですよ(笑)。

はつめ:そうそう! まあ、もちろんきれいに見えるようで、悪い大人に何度もだまされたり、嫌な思いをしたりたくさんあったんですが...。
 適当かつ、判断力の速さでどうにかしてきた感あります。

人生の岐路がやってくる

いしたに:さてさて。そういう感じで流れに乗りつつ、でも自分を見失わずにやってきたはつめさんにも、人生の岐路がきますね(笑)。

はつめ:来ましたかね。

いしたに:だって、高校時代は終わるんですよ!

はつめ:なるほど...気持ちはまだ高校生なんですけどね...。

いしたに: 終わりましたから(笑)。

はつめ:高校時代、割といろいろなことがあったのですが、どこからいきましょうか。

いしたに:どんどんいきましょう!と言いたいのですが、今回はここまで(笑)。

はつめ:あ、はい!

いしたに:というか、ここまで話してきたけど、この時点ではつめさんまだ高校生なんだよね。そこがはつめさんのすごいところだわ。

(次回に続く)

はつめ
現在フリーのストリーマーとして活動している元プロゲーマー。高校時代にesports業界へ飛び込み、18歳にプロ契約。格闘ゲームのプロゲーマーとして、全世界で行われるCAPCOM Pro TourやEVOへも参加。2020年頃よりApex Legendsのゲーム実況をはじめ、当時の最高ランクに昇格するなど、FPSでも活躍している。米国発スポーツアパレルブランド「Kaepa」のブランドアンバサダーを務めている。テレビ番組「お願いランキング!」「王様のブランチ」「マツコ会議」への出演をはじめ、新聞やメディア出演も多数。
Twitter:https://twitter.com/hatsumememe
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCq1FEiGmyh-52yYGeOMTVLA

いしたにまさき
ウェブサービス・ネット・ガジェットを紹介する考古学的レビューブログ『みたいもん!』管理人。2002年メディア芸術祭特別賞、第5回Webクリエーションアウォード「Web人ユニット」賞受賞。著書に2010年11月に単著「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である(技術評論社)」など共著も多数。2011 年9月より内閣広報室・IT広報アドバイザー就任。同年アルファブロガー・アワード受賞。「ひらくPCバッグ」などネット発のカバンデザインも好調。ひらくPCバッグで2016年グッドデザイン賞受賞。Evernote ECL・ScanSnapアンバサダー・HHKBアンバサダー。Yahoo!ニュース個人オーサー。
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