7月は希望の3分の1
政府は7月23日の東京五輪開幕までになるべく多くの国民にワクチンを接種するという方針を打ち出し、各市町村や医療関係者は、会場整備や要員の確保を急いできた。ところが、ここにきて突然「ハシゴを外された状態」になり、戸惑いや不満の声が出ている。
ブルームバーグによると、これまで日本政府は米ファイザー製のワクチンを同社の欧州製造拠点から輸入してきた。同社が独自に入手した欧州連合(EU)理事会の資料によると、6月30日時点で日本向けワクチンは計1億3450万回分が輸出された。一方、米モデルナからは9月末までに5000万回分を受け取る契約を交わしているという。
西日本新聞によると、国からのファイザー製の供給は4~6月は1億回分だったが、7~9月は3割減の7000万回分。河野太郎行政改革担当相は2日の会見で、7月後半の配送量は「自治体の希望量の3分の1」とした。福岡県の服部誠太郎知事は6日、記者会見で「国の制度設計が甘かったのでは」と語っている。