栄養たっぷりの甘酒。初詣で参拝客に振る舞われるなど冬に飲むイメージがあるが、実は夏の季語だ。じめじめと蒸し暑いこの時期、夏バテ防止にも役立つ。
甘酒の万能ぶりとおいしく摂取できるアレンジについて、うんち記録アプリを運営するウンログ(東京都渋谷区)の長瀬みなみさんに聞いた。
食欲がない時の栄養補給に
甘酒には酒粕、水、砂糖を混ぜ合わせたものなど種類があるが、ここでは麹と水で発酵させた「麹甘酒」について説明する。長瀬さんによると、麹甘酒にはオリゴ糖や食物繊維、腸の炎症を抑制する研究結果が出ている「グルコシルセラミド」が含まれている。
さらに炭水化物、脂質、たんぱく質の「3大栄養素」の代謝に必要なビタミンB群が全て含まれる。「代謝アップ」や、美容・抗酸化効果のある物質もあり美容作用が期待できる。甘酒の成分の90%はブドウ糖のため疲労回復効果も見込め、「飲む点滴」「飲む美容液」ともいわれる。
江戸時代から、暑気払いや夏の栄養補給として親しまれてきた。食欲がない時の栄養補給に適している。スーパーマーケットには、保存状態が冷蔵と常温の2種類がある。甘酒の中身もそのまま飲めるストレートタイプ、希釈タイプがあり、売られている商品は様々だ。ただ、殺菌の強さや水分量の違いはあるが、成分や栄養素はどれも基本的に変わらないという。自分の好みに合わせて商品を選び、毎日少量、100ミリリットル程度を上限に飲むとよい。
苦手な人は砂糖の代わりに使って
アレンジしても甘酒は楽しめる。長瀬さんに「お勧め」を聞いた。まず、甘酒100ミリリットルにプチトマト3つをミキサーにかけた「甘酒トマトスムージー」。甘酒をトマトジュースで割るだけでもできる。
次に「甘酒プリン」。甘酒と豆乳それぞれ150ミリリットルを火にかけて沸騰直前まで温め、ゼラチン3グラムを加えて溶かす。容器に流し込み、冷蔵庫で冷やし固めれば完成だ。
記者も作ってみた。濃厚な口当たりだが、自然な甘さでさっぱり食べられた。ハチミツをかけて食べると、スイーツ感が増した。
発酵食品の組み合わせで、腸に良いのが「甘酒ヨーグルト」だ。甘味づけに甘酒を使う。さらに、甘酒はドレッシングにもなる。甘酒30ミリリットル、オリーブオイル45ミリリットル、酢を大さじ2分の1、塩コショウ少々を混ぜ合わせる。好みでニンジン、タマネギのすりおろしを混ぜてもおいしい。
甘酒独特の風味が苦手でも、体のために取り入れたい。そんな人は、無理にそのまま飲まずに砂糖の代用として甘酒を利用すると良い。砂糖大さじ1杯を甘酒大さじ2杯に替えるだけだ。この場合、希釈タイプの甘酒を原液のまま使うのがお勧めとのこと。
「自分がおいしい、続けやすいと思う方法で生活に取り入れてみてくださいね」