熱海土石流で分かった「災害リスク」 「都市外縁」に「盛り土」が重なる

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「盛り土マップ」でチェック

   ただし、こうした土砂災害は市街地でも起こる。これは主として「盛土」がもたらすものだ。平野部は平らに見えても元々は凸凹がある。戦後は丘の屋根部分や崖をブルドーザーで削り、谷を埋めて地ならしをして宅地化してきた。山の手の宅地造成地、あるいは郊外のニュータウンでも「基土」と「盛土」の部分が入り混じる。

   1995年の阪神淡路大震災では「震度6」のエリアで約200か所の宅地崩壊が起きた。このうちの半数が「盛土地すべり」だったという。特徴的だったのは、西宮市から神戸市に至る被災地の中で、戦前からの住宅地では被害が少なかったこと。戦後になって新たに開発された「盛土」の住宅地に被害が集中した。著者は「同じような『盛った』ブランド宅地は、東京や大阪などにも広く見られる」と警告する。

   2011年の東日本大震災で、仙台市では丘陵に広がる住宅地が被害を受け、多数の家屋が損壊した。津波ではない。谷埋め盛土地すべりが発生したためだった。

   「盛土」については「宅地造成履歴等情報マップ」がつくられている。同書ではこのマップの「自治体格差」「精度格差」がひどいことも指摘している、結論から言うと、横浜市は精密、東京都は大甘だという。

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