IOCバッハ会長は貴族ではない 「ぼったくり男爵」と言われた男の真の姿

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名誉もカネも

   近代五輪はもともと、裕福な人たちによって支えられていたという。五輪に詳しいスポーツジャーナリスト、小川勝さんの『東京オリンピック』(集英社新書)によると、五輪の骨格を作ったことで名高いクーベルタンは事務局経費や祝典費用を個人で負担し、在職中に事実上破綻していたという。6月30日の朝日新聞も、「委員活動費は創設当初は自腹だったので、メンバーは裕福な層に限られていた」と書いている。

   ところが、五輪が巨大化する中で、「貴族」との関係も変質していく。テレビの放送権料やスポンサー企業の協賛金が潤沢に入るようになり、「五輪貴族」は名誉とカネの両方を手にする立場になった。今回の五輪騒動を通じて、多くの人が商業主義にまみれた五輪の現実を知ることになる。

   五輪は「平和の祭典」とも言われる。実際、1948年、戦後最初のロンドン五輪には日本と独は参加を認められなかった。

   今回来日するバッハ会長は被爆地の広島を、IOC東京大会調整委員会のジョン・コーツ委員長は長崎を訪問する予定だという。「五輪やスポーツを通じた平和への取り組みを訴えるとみられる」(読売新聞)。

   ネットではさっそく「ファーストクラスで来日し、5つ星ホテルのスイートに泊まり、接待され、パフォーマンスで広島長崎なんでしょうね」という冷めたコメントが出ている。

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