在宅勤務の際、職場の同僚にコミュニケーションツールのチャット機能で「既読無視された」、「頻繫に雑談が送られてくる」――。J-CASTトレンドが20代の会社員男女5人に、業務上でのチャットで困ったエピソードを聞くと、こんな経験があがった。対面とは違った文章でのやり取りに、苦労する人も少なくない。
社内コミュニケーションに詳しい、リクルートマネジメントソリューションズのシニアコンサルタント松木知徳氏にチャットで困ったときの対処法を聞いた。
回答期限の提示が必要
まず、5人中3人が経験した連絡事項の「既読無視」。ただ、一方的に相手が悪いとは限らない。上司や先輩も他の業務などがあり既読になっていてもすぐに対応できないことも想定できる。
松木氏によると、この時ポイントとなるのが、送ったチャットに返信が必要かどうか。判断や対応を求めるのであれば、「いつまでに回答してほしいのか」をこちらから提示する必要がある。あらかじめ
「今日の〇時までに返信いただけますでしょうか?」
と送れば、優先順位をつけて対応してもらえる可能性がある。もし、期限までに返事がなければ、「この件いかがでしたでしょうか?」と督促もしやすい。
今回、既読無視された3人中2人は回答期限を設けていなかった。上記のポイントを押さえておけば、既読無視を免れたかもしれない。
逆に、急ぎでない場合はその旨を伝えておけば、返事に猶予がある分、丁寧に返答がもらえることもある。
「短い文書で返信できない旨を伝える」
続いて、上司から頻繁に仕事とは直接的に関係のない雑談が送られてくる時は、どうすればよいのか。5人中2人が経験し「無視できない」と困っていた。
雑談に付き合いたくない場合、無難なのは「すみません。今手が離せなくて...」と「短い文書で返信できない旨を伝える」ことだという。ただ、オンラインでは相手の表情や業務の忙しさが分からないため、
「悪気がなく、コミュニケーションに行き違いが発生することもあります」
と松木氏。まずは相手を全否定せず受け止め、そのうえで「ちょっと今仕事が立て込んでいまして、またどこかでお話聞かせてください」などとこちらの状況を説明しよう。それでもしつこく連絡が来る場合は人事などに相談した方が良い。
注意したいのが、断るのが悪いと感じて「無反応」になること。松木氏は、相手もどう受け止めてよいか分からず、互いに気まずさを感じることになりかねない、と指摘する。「リモートでのコミュニケーションの場合は相手の反応や状況が見えづらいため、対面よりもはっきりとお伝えする必要があると思います」。
ただし、文字で伝える場合、否定的な言葉は相手に強く受け止められてしまう可能性もある。社内であればあえて「絵文字」を使ってトーンを和らげることも有効かもしれない、とアドバイスした。