東京五輪に思わぬ伏兵が出現している。欧州などで行われているサッカーの国際試合で、新型コロナウイルスの大量感染が起きているのだ。
東京の感染者は増加傾向が鮮明になっていることに加えて、海外の巨大スポーツイベントで相次ぐクラスター。五輪開幕が3週間後に迫る中で、政府は「無観客」も視野に入れた対応策の検討に追い込まれている。
サッカーの国際試合で集団感染
英国では6月18日、ロンドンで開催されたサッカー欧州選手権の「スコットランド―イングランド戦」で集団感染が発生した。応援のため、英国北部のスコットランドからロンドンに詰めかけたサッカーファンのうち1294人が、30日までに新型コロナウイルスに感染していたことがわかったのだ。このうち397人はロンドン市内のサッカー場で実際に観戦していた。他はパブなどで応援していた人だという。
サッカー欧州選手権を巡ってはフィンランドでも大量の感染者が出ている。6月21日にロシアのサンクトペテルブルグで開催された1次リーグを観戦するため、フィンランドから現地入りしていたサポーターのうち約300人が帰国後、コロナに感染していたことがわかった。サンクトペテルブルグでもデルタ株の感染が急増していた。
このほか、6月13日からブラジルで開催中のサッカー南米選手権「コパ・アメリカ」でも各国の選手やスタッフの感染が相次いでいる。21日までにすでに140人の感染が確認されているという。