【J子が行く】J-CASTトレンド記者「J子」とその同僚たちが、体を張って「やってみた、食べてみた、行ってみた」をリポートします。
長引くコロナ禍、ワクチン接種の順番はまだ来ないし、外出もままならない...。J子の不満は限界を超えようとしていた。このうっ憤を合法的にぶつけられる相手がどこかにいないものか。
――そうだ、「瓦割り」いこう。なんで思い立ったかはさておき、J子は6月某日に東京・浅草の瓦割り専門店「瓦割りカワラナ」に向かった。
16枚に挑戦するつもり(マジで)
有言実行で、16枚に挑戦しようと思っていました。「瓦割りカワラナ」代表の川口民夫さんに、こう言われるまでは。
「女性で16枚割りに成功した人は...これまでに2人だけですね。男性だと12枚、女性だと8枚に『壁』があると思います。そこで割れる・割れないが分かれます」
ですよね。区切りが良いので、10枚に挑戦させていただきます!! 誰、16枚とか言ったのは。別にビビってませんが、なにか? 全部割れたときの「ガシャーン」っていう音が聞きたいんです。あの快感を味わいたいんです、確実にスッキリしたいんです!
いざ10枚の瓦を前にして、J子は思わず目を疑った。これ、本当に拳で割れるんだっけ。
J子「あのう......2年前に割った瓦と違いませんか? こんなに分厚くなかったですよね」
川口さん「いやいやいや、同じですから!変わってませんって(笑)」
おっかしいなあ。気のせいだなんて(本当に気のせい)。
気を取り直して、瓦割り成功のためのポイントをおさらいだ。(1)1番下に積んである瓦を撃ち抜くつもりで、(2)直線を描くようにまっすぐ拳を振り下ろし、(3)的(瓦の上に置いてあるタオルの赤丸)へ正確に当てる。専用グローブをつけ、空手・拳法などで使われる打ち技「鉄槌」で瓦を割る。親指を外に出して拳を握り、ハンマーのように振り下ろして小指側の面を撃ち付けるのだ。
これが意外に難しい。気をつけないと、拳を振り下ろす過程で狙いがぶれたり、膝を曲げるタイミングと拳を的に当てるタイミングがずれたりする。さらに「気持ち」も大事だ。フォームが完璧でも、寸前で腰が引けたら割れるものも割れなくなってしまう。
「一番予想しなかった枚数」が割れた
川口さんに指導してもらいながらイメージトレーニングを繰り返すこと十数回。...息が上がってきた。これ練習なのに!
左膝を一回一回、しっかり曲げなげればいけないので、連続スクワットしているみたいだ。コロナ禍でウエイトは上がったが、体力は下がったのを痛感する。
J子「ゼェゼェ(あの、うまくできない私のせいなんですが、本番用の体力がなくなります...(泣)」
川口さん「良い感じになってきましたね。では、そろそろいってみましょう!」
笑顔でGOサインを出してくれた川口さん。微笑み返したJ子の口角と左足はガクガク震えていた。大丈夫だ、8枚は割れた。たった2枚増えただけじゃないか。外出自粛で溜まりに溜まったモヤモヤを、思いきりぶつけてやれ。絶対に、10枚割るんだ!
そして「挑戦」は続く
「おお、9枚! これは、一番予想していなかった枚数ですね~!」
楽しげな川口さんをよそに、J子はうちひしがれていた。失敗してしまった...。
9枚!なんで!なんで、あと1枚が割れないんだ~!
川口さんによると「的よりも、少し右にそれた」ことが敗因。瓦を見ると、確かに右に傾いた割れ方をしている。やってしまった!
川口さん「もう一つ、瓦の枚数が増えて高さが増すと、打点もその分高くなります。割る人の身長と瓦との距離感の問題ですね。割るときに力が入りにくい、膝を曲げるタイミングを合わせるのが難しい枚数は、人によって違います」
J子「確かに、思った以上に瓦までの距離が短くて慌てたかも...キーッ、悔しぃい!」
川口さん「でも、おいしいじゃないですか。前(8枚)より割れていて、かつ10枚には届かなかったっていうのは。『過去にクリアしたはずの枚数に再度挑戦したら、割れなかった』ってケースは珍しくないので、すごいですよ。ぜひまた10枚チャレンジにお越しください(笑)」
確かに、このままでは終われない! 10枚中9枚分のモヤモヤは解消されたけど、1枚分のモヤモヤが残っている!
川口さん曰く「スクワットとイメージトレーニング」が有効だそう。待ってろよ~、瓦! 次回こそは絶対に10枚割ってやるぞー!