棋王防衛、王将挑戦、全勝
次に、羽生氏が七冠を決めた第45期王将戦の前後の日程を見てみる。1996年1~2月半ばだ。
1月11~12日 第45期王将戦七番勝負第1局 谷川浩司王将に勝利
1月20日 第29回早指し選手権決勝 南芳一九段に勝利
1月22~23日 第45期王将戦七番勝負第2局 谷川浩司王将に勝利
1月29日 第14回全日本プロトーナメント 丸山忠久六段に勝利
2月1~2日 第45期王将戦七番勝負第3局 谷川浩司王将に勝利
2月5日 第45回NHK杯争奪戦本戦 谷川浩司王将に勝利
2月8日 第16回オールスター勝ち抜き戦 中田宏樹六段に勝利
2月10日 第21期棋王戦五番勝負第1局 高橋道雄九段に勝利
2月13~14日 第45期王将戦七番勝負第4局 谷川浩司王将に勝利
強行日程、しかもタイトル戦に次ぐタイトル戦を戦い抜くだけでも驚かされるが、この期間すべて白星という事実は、もはや神業だ。なお、第21期棋王戦五番勝負の第2局以降については「全局集」に記述がなかったが、社会人将棋の「リコー将棋部」公式サイトによると第2局(2月23日)・第3局(3月8日)でも高橋九段にそれぞれ勝利し、防衛を果たした。
王将戦第2局(1月22~23日)と第3局(2月1~2日)の間には、全日本プロトーナメント(1月29日)をはさんでいる。「全局集」42ページで、羽生氏は日程の過酷さを嘆くどころか、この第3局について「第2局との間隔が短かったのでいい状態のまま対局に臨むことができました」と記している。