米マイクロソフトが新OS(基本ソフト)「Windows 11」を発表した。リリースは2021年後半予定。現行の「Windows 10」を搭載しているほとんどのパソコンは、今後無償でアップグレードできるという。
それでも、手放しに喜ぶユーザーばかりではないのはなぜなのか―――。
6年前「10」リリース時も無償だったが
「10」のリリースは2015年7月29日。実は当時も、「Windows 7」(2009年リリース)「Windows8.1」(12年リリース)の利用者向けに1年間、無償アップグレードを実施していた。
15年7月末のインターネット掲示板の書き込みを見ると、「現状の7で特に困ったことはない」といった意見や、アップグレードをすることで「(パソコン動作が)重くなるかどうか」、「ソフトやドライバー(周辺機器を動作させるシステム)等でであらゆる不具合が出る可能性があるのに急いで入れる必要ない」といった書き込みもあり、すぐには「10」を導入しない様子のコメントが相次いでいた。
OSを一新すると、それまで使えていたソフトが動作しなくなることがある。また、ソフト自体が新たなOSに対応しない場合もある。
10へのアップグレード後の不具合の報告を募集している掲示板では当時、「StationTV」(テレビ視聴ソフト)や「iTunes」(音楽ソフト)、パソコン向けゲームなど、様々なアプリが正常に動作しないとの書き込みが続出していた。こうした不具合が出現する可能性などから、直ちにはアップグレードに踏み切らない人がいたようだ。
一方でアクセス解析サービス「StatCounter」によると、デスクトップパソコンにおける「Windows」のバージョンごとの普及率は、2021年5月時点で「10」が最も高く、Windowsのシェアで78.88%を占めているという。次点の「7」は15.52%だ。
なお、2016年5月時点では「10」は23.63%で「7」は51.19%だった。リリースから6年かけて、「10」も浸透してきたのだ。