東京都の飲食店で「まん延防止等重点措置」のもと、酒類の提供が認められるようになった。ただ、酒類については19時がラストオーダーで、アルコールを提供できる人数はグループあたり1〜2人までとされるなど、制限も多い。
焼肉チェーン「焼肉ライク」は、東京都内の一部店舗でレモンサワーとハイボールを定額で飲める「まん延防止60分550円飲み放題」を提供している。1人もしくは2人のみで来店した客限定だ。新型コロナウイルス感染状況がまだ油断ならない中、「少しでもお客様に焼肉とお酒を楽しんで」もらうためのキャンペーンだという。記者も体験した。
注文はパネル、点火はセルフ ひたすら飲んで食べる
22日の17時30分ごろ、焼肉ライクの新宿西口店を訪れた。あまり混んではおらず、客の入りは全座席の6割ほどだった。
焼肉ライクは「ひとり焼肉」を打ち出している店だ。店内はカウンター形式で、座席ごとにアクリル板のような仕切りが設けられている。テーブルにはそれぞれ肉を焼くロースターや飲料水の蛇口が存在する。注文はタッチパネル式で、点火も客が行う。レジも基本的にはセルフ形式と、注文から会計まで会話の必要がほぼない。
メニューを見ると、通常価格ではハイボールは390円でレモンサワーが420円。平日14時から18時の「ハッピーアワー」だと、ハイボールは190円、レモンサワーが210円だった。ご飯とキムチ・スープが付いてくる「牛タン&匠カルビ&ハラミセット」(1310円)と韓国のり(200円)、そして飲み放題550円を注文する。1杯目はハイボールだ。
焼肉屋へ1人で行き、黙って食べて飲むというのは初めての経験だ。焼肉セットとジョッキに入ったハイボールは5分ほどでやってきた。飲み放題時間の60分は、注文の到着時からスタートするとのことだ。カルビを焼き、ハイボールを飲んでいく。濃くも薄くもない一般的なハイボールだ。
5分で飲み干し、今度はレモンサワーを頼む。こちらは少し甘みが強いように感じた。味の濃い焼肉と食べるならば、ハイボールの方がスッキリとした喉越しかもしれない。雑談相手もいないので、肉と酒に集中する。酔いが回って食欲が増進されたところで、ご飯と肉を食べ進める。その後またハイボールとレモンサワーと注文。最後は牛タンをレモン汁でつまみつつ、40分ほどかけて計4杯を飲んだ。
黙々と食べる来店客
店内を見る限り、3人以上のグループで訪れていたのは1組のみで、談笑をしているのもこのグループぐらいだった。他は牛丼屋のように1人客がほとんどで、黙々と食べている。1人で焼いて飲むというのは新感覚だが、周りでも1人客がほとんどのためにすぐに慣れた。仕事帰りなのか、他にもハイボールらしきドリンクを静かに飲んでいる会社員がいた。
適度に満足できる量の焼肉セットと、追加メニューの韓国のり、さらにハイボールとレモンサワーを4杯飲み、会計は2060円だった。
飲み放題の利用には、セットまたは肉単品の注文が必要となる。セットメニューの最安は「バラカルビセット」580円。さらにコストパフォーマンスを重視するなら、こちらを頼むという選択も考えられそうだ。550円飲み放題は、新橋本店、渋谷宇田川町店、上野店、赤坂見附店でも提供されている。