「ポケモンカードゲーム」がまたも、高値転売されている。2021年7月9日に新たな拡張パック(カードがランダムに入ったパック)として「蒼空ストリーム」と「摩天パーフェクト」が発売されるが6月24日現在、まだ予約を受け付けている段階にもかかわらず、だ。
30パックが入った1BOXあたりの定価は4950円(税込・以下同)。ところが、ECサイトを見るに、蒼空ストリームのBOXはアマゾンだと8200円、楽天市場では8800〜9480円で販売されている。
コロナ禍で「対戦」から「集める」へ
5月28日に発売された「イーブイヒーローズ」というパックも、品薄や転売が相次いだ。5月7日にポケモンセンターオンラインが予約注文を受け付けた時にはアクセスが集中し、購入できなかった人も多かった。
5月12日には予想を超えた人気から「イーブイヒーローズ」が品薄になったとして、ポケモンカード公式サイトが陳謝。同日、イーブイヒーローズをはじめとする商品についてはポケモンセンター・ポケモンストアでの店頭販売を行わず、オンライン上で抽選販売を行うと発表していた。
ポケモンカードを始めとして、様々なトレーディングカードゲームの販売を行っているショップ「カードキングダム」に取材した。
販売担当者によると、ポケモンカード自体は元々人気のあるコンテンツだった。そして近年、2016年にはスマートフォン向けアプリ「ポケモンGO」がリリースされ、世間でブームを巻き起こした。
さらに2017年には、アニメ「ポケットモンスター」(1997年放送開始)の初期ストーリーを原案とした映画「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」が放映された。これで、現代の子どもだけでなく、大人の世代もポケモンを楽しみやすい雰囲気が作られた。こうした流れから、ポケモンカードの人気も高まっていったという。
そして、2020年の新型コロナウイルス禍が大きな転機となる。それまでのポケモンカードは、大会といった場で実際に対面・対戦する楽しみ方が主流だった。ところがコロナ禍の影響で他人とプレーできなくなると、今度はカードを集めて楽しむ「遊び方」が流行し始めた。
コレクションとして楽しむ人が増えたと同時に、普段カードなどの転売を行っている人からも、新たな転売用の商品として、ポケモンカードへの興味が向くようになり、さらに需要が高まった。2020年夏から秋にかけては、すでに転売対象としてみなされていたとのことだ。