ゲーム「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」 ニンテンドースイッチ版発売しない謎を解く

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   家庭用ゲーム「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚(けっぷうたん)」が、2021年10月14日に発売予定だ。だが、「Nintendo Switch」(スイッチ)版はない。この点、一部のファンの間で話題となっている。

   発表されている対応プラットフォームは、プレイステーション4(PS4)・PS5・Xbox One・Xbox Series X/S・そしてパソコン向けの「Steam」だ。人気作品のゲーム化にあたり、なぜスイッチ版は発売されないのか。

  • ゲーム「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」 「無限列車編」までのエピソードを収録
    ゲーム「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」 「無限列車編」までのエピソードを収録
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新作アニメ放送開始もポイントか

   ゲームを専門とするライター・渡邉卓也氏によると、まず「スイッチのスペック自体が足りていない」と指摘する。スイッチはPS4・PS5やXbox Oneなどに比べて、映像の描写能力において性能的に不足している面がある。

   「ヒノカミ血風譚」は「アニメの絵をゲームに落とし込み、さらにゲームとしても見栄えするものとして企画された」というのが渡邉氏の推測。クオリティーの高い表現を行うには、ある程度性能のあるゲーム機でないと難しいのだという。こうしたゲームをスイッチでも遊べるよう調整するには、手間がかかると考えられる。

   また、「鬼滅の刃」という作品をめぐって「時間的な問題」が存在するのではないかとも指摘。基本的に「ヒノカミ血風譚」は、すでにアニメや映画で放送・放映されたキャラクターとストーリーを描いている。


   一方で、「鬼滅の刃」の新作アニメは2021年内に放送を控える。もしもゲームの発売が遅くなったところで新アニメが始まり、新たな登場人物が描かれると、「ヒノカミ血風譚」では「(アニメは新しい展開になっているのに)以前のアニメのキャラクターしか使えない」という状況に陥ってしまうというのだ。

「現段階でアニメに出ているキャラクターでゲームを作り、かつスケジュールに合わせなければならないことを考えると、手間のかかるであろうスイッチへの移植は後回しになると考えられます」

「スイッチ版後回し」の可能性

   なお、「ヒノカミ血風譚」の製作会社「サイバーコネクトツー」(CC2)は、他にもアニメを原作としたゲームを発売している。ゲーム「ドラゴンボールZ カカロット」は20年1月にPS4とXbox One向けに発売された。そして1年以上遅れて、21年9月22日には追加コンテンツの加わったバージョンをスイッチ向けに発売予定だ。

   アニメ「ナルト」を原作として同CC2が製作したゲームでも、PS4版の発売から数年遅れて、追加コンテンツを加えたスイッチ版が発売されたケースがある。「その流れに沿う形であるならば、遅れて(ヒノカミ血風譚の)完全版などがスイッチ向けに発売されるということはあり得ます」と語った。

   ところで、インターネット掲示板には、アニメ「鬼滅の刃」の製作会社がソニーグループに所属する「アニプレックス」であることから、ライバル企業とされる任天堂のハードではゲームを出しづらいという事情があるのではないか、という憶測が存在する。

   「それは関係ないでしょう」と渡邉氏。アニプレックス製作のアニメの1つに「衛宮さんちの今日のごはん」という作品がある。こちらも21年4月にゲーム化されたが、対応機種はスイッチなのだ。こうした前例もあり、アニプレックスや任天堂をめぐる事情は無関係ではないかとした。

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