大臣の発言が否定される
「不妊」問題については「科学的にそういうことはない」と明言した河野大臣だが、大臣自身の発言が「科学的ではない」と否定される事態にもなっている。
共同通信は6月20日、「河野行革相は、新型コロナワクチン接種後の効果について『少なくとも1年は持つ』との見解を示した」と報じた。これも先の日本テレビでの発言だ。
ところが同じく共同通信によると、21日、加藤官房長官は記者会見で、河野大臣が新型コロナウイルスワクチンの有効期間を1年としたことについて「長期の有効性のデータは十分に得られていない」と述べ、河野氏の見解を否定した。
ワクチン担当大臣の発言が、政府中枢の官房長官によって否定されるという、国民には分かりづらい展開となっている。
河野大臣はやはり先の日本テレビの番組で、12~15歳の子どもについて、夏休み中の接種を呼び掛けていたが、21日、「夏休み中に終わらせてくださいということではない」と発言を修正した。これは自治体から前倒しでやらなければならないのかという問い合わせが相次いだためだ。河野大臣は「私の舌足らずで誤解を与え、おわびしたい」と記者団に語った。
毎日新聞は、「河野大臣の『勇み足』との批判を招きかねない言動が続いている」と辛らつだ。同紙は、「菅首相からワクチン接種の加速に向けて矢継ぎ早に指示を受けている」ことによって「前のめり発言」が続いていると見ている。