「私はいったい、今まで何をしていたのか」
もはや、プライドもへったくれもない。誰の力も借りずに「我流」で成功させるつもりだったが、3週間以内に攻略するために手段は選べない。山形工房がユーチューブで公開している、10連けん玉の解説動画を見ることにした。すると...
信じられない光景が広がっていた。まず持ち方が違う。J子は両端を持っていたが、正しくは「端から3つ目の皿」を持たなければならないらしい...。約2週間も間違った方法で頑張っていたなんて。私はいったい、今まで何をしていたのか。
一番違うのは、「膝の使い方」。J子は一瞬、ぴょこんと膝を曲げ伸ばす程度だったが、見本動画では(1)最初から膝を曲げて、前傾姿勢で構えを取り、(2)かかとが床から離れるくらい大きく伸び上がり、「膝の曲げ伸ばし」の力だけで玉を上に持ち上げる(腕力を使わない)、(3)床すれすれのところで、玉の下に潜り込むようにして受け止めている。なんてアクロバティック! 芸術的だ。
さらに動画では「玉を引き上げたときに糸が小皿の縁に触れるのを避けるため、皿を前に傾けて持つ」「左右の高さに差が出ないよう、真上に玉を引き上げる」ことがポイントだと説明していた。自分の挑戦動画を見返すと、玉の持ち上がり方がバラバラで、右側が大きく上がりやすい。利き手である右手の方が力んでしまうせいだ。
つまりJ子は、腕で玉を持ち上げようとしているってことだ...。逆に言えば、玉を膝の力で全て均等に引き上げられさえすれば、後は皿で受け止めるだけ。成功までの道筋が、はっきり見えた!