山手線停電「車内に2時間半閉じ込められた」 蒸し暑さと混雑、乗客の過酷体験談

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小型ポーチに備えておくべきもの

   防災・危機管理に詳しい防災システム研究所の山村武彦所長は、このような事態への備えとしてモバイル防災ポーチの用意を推奨する。携帯用のトイレや、モバイルバッテリー、火災時に煙を吸わないための避難フード、懐中電灯、飴とチョコレートなどを準備し、小型のポーチの中に入れておくとよい。

    今回のように電車内に閉じ込められた時、個人ができることは限られている。だが、備えがあればある程度過酷な状況をカバーできる。特に首都圏の通勤電車では、トイレの存在しない車両がほとんど。こうした非常用のトイレを持っていると役立つという。

   この時期は、脱水症状にも注意が必要だ。熱気を逃がすため、開閉可能な窓は開けた方がいい。ある程度まで服を脱いで涼しい格好になることも有効だ。水分補給も欠かせない。本来、電車といった閉じ込められる危険性のある乗り物に乗る場合には、防災ポーチと共に水も持っておいた方が望ましい。

   「とにかく助け合ってほしい」と話す山村氏。乗り合わせた人への思いやりを持って行動することが大事なのだという。混雑していて座りづらい車両では、他の乗客と交代でしゃがんだり、体調不良者・高齢者・乳幼児などについては優先して座席に座らせる配慮も重要だ。

   便意や尿意をもよおしたり、熱中症など体調を崩した人が出てきたとしても、車両の外に勝手に出るのは危険だ。付近に走行中の電車や、高圧電線が存在する場合もある。ただ、車両ごとに設けられた非常通報装置を使うと、車掌と通話できる場合がある。トイレに行きたくなったり、体調を崩した人がいた場合には通報し、乗務員による対応を受けるよう勧めた。

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