新型コロナウイルス対策で10都道府県に出されている緊急事態宣言が、沖縄を除く9都道府県で2021年6月20日に解除され、このうち東京や大阪など7都道府県はまん延防止等重点措置に移行することになった。
一方で専門家の間では、依然としてインド型変異株(デルタ株)へ懸念が強い。7月23日の五輪開幕に向けて緊張の日々が続くことになりそうだ。
2台の車に分乗して練習場へ
TBSは6月17日夕、「独自ニュース」として都内で起きたデルタ株クラスターの詳細をリポートした。
都はすでに9日、「都内の中学校でインド型変異株のクラスターが発生し、男子生徒5人とその家族ら6人の計11人の感染が確認された」と発表していた。いずれも軽症。同校で、さらに約100人のPCR検査を進めているとのことだったが、具体的な状況は不明だった。
TBSによると、このクラスターの人数は17日までに少し増えて、少なくとも男子生徒8人とその家族6人のあわせて14人の感染が判明しているという。
男子生徒のうち7人は野球部に所属。新型コロナの影響で土日の学校での部活動が休止されていたため、5月下旬、河川敷で自主練習をしていた。
7人は保護者が運転する2台の車で河川敷に向かい、車内ではマスクを着用していた。移動時間は長くても数十分とみられるが、その車内か、屋外での練習中に感染が広がった可能性が高いという。
数日後に7人のうち1人が発熱し、新型コロナへの感染が判明。さらに、変異ウイルスを調べる検査でインド型であることが分かった。そして、他の6人も全員の感染が判明し、家族や同級生にも広がって、東京都はインド型のクラスターと認定したという。
「学校としては最大限の感染対策をしていた。濃厚接触者の中の陽性率が極めて高かったので、インド型の感染力の強さを感じる」という学校関係者の衝撃の声を伝えている。
クラスターの発生を受け、学校は3日間休校にして消毒を実施。野球部員や同級生、教員らおよそ120人に対象を広げて追加のPCR検査をしたという。