「バーチャル背景」にもトラップ
オンライン会議ツールでの画面共有トラブル防止について、情報セキュリティーに詳しい立命館大学情報理工学部の上原哲太郎教授は、基本的な運用に注意する必要があると話す。「気を付けるしかない」というわけだ。
ただ事故を防ぐうえで一番簡単な対策は、普段使用しているパソコン(PC)やタブレットPCとは別に、会議ツール用を用意することだという。見られると困る情報が含まれていなければ、画面共有しても心配ない。
また、インターネットをめぐるトラブルとして、窓から見える風景から他人の住所を特定する人がたまにいる。オンライン会議でも参加者の自室の映像から特定を試みる人は出現し得るため、「バーチャル背景」機能をしっかりと用意した方がよいという。
ただ、バーチャル背景とカメラに映っている利用者の間にちらつきが起き、部屋の風景が一部見えてしまう場合があると上原教授。こうした背景の一部が映った映像を集め、実際の背景を割り出す技術も存在するという。
対策としては、ユーザーの背後を覆う物理的なスクリーンを用意すると有効だ。携帯できるサイズの製品も販売されているという。また、窓の外が映らなければ住所の特定は難しいため、カーテンを引くだけでも効果があるとの話だ。