日本選手に「アドバンテージ」
「アンフェア」なことについても強調している。例えば海外の選手は、来日後に日本人と自由に接触できない。通常なら開催国の選手と練習したりするわけだが、それができない状態になる。自国から練習相手を連れてくるのも簡単ではない。来日選手の人数は制約を受けている。本来なら早めに来日し、日本との時差や気候に慣れたいところだが、日本国内での事前合宿をキャンセルされているチームもたくさんある。
「でも日本人選手は通常の練習や準備をしてから、本番を迎えられる。『ホスト国のアドバンテージ』となるかもしれないが、そういうアンフェアなことがあちこちに出てくる」と山口さんは見る。
たしかに、五輪レースコースで5月5日に行われた札幌ハーフマラソンなどはその一例だろう。日本は代表4人が走り、コースを確かめることが出来たが、自国でマラソン代表に決まっている海外選手の参加は2人だけだった。
このほかワクチンの影響も懸念される。というのも、接種後に高熱が出たり、だるさを訴えたりする副反応がかなりの確率で発生することが分かっているからだ。高齢者より若者の方が出やすいといわれている。早めに接種した選手と、直前に打つ選手とでは体調に差が出かねない。選手やコーチにとっては不安材料だ。団体競技の場合、万一、選手団の中から感染者が出た場合、あるいはクラスターが起きた場合、チームがどうなるのかどうなるのかなども心配の種だ。