コロナワクチン陰の主役「ビオンテック」 ファイザーと共同開発、中国とも提携

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

ノーベル賞を取るか

   ビオンテック社にはもう一人、著名な「移民科学者」がいる。カタリン・カリコ博士だ。NHKが単独インタビューして5月末、詳細を報じている。

   それによると、ハンガリーで生まれ育ったカリコ氏は大学で生化学の博士号を取得。同国の研究機関で働いていた。しかし、研究資金が打ち切られたことから1985年、夫と娘の3人で米国に渡った。

   ペンシルベニア大学などで「mRNA」の研究をしていたが、苦難の連続。2005年になってようやく、当時の同僚らと、今回のワクチンの開発につながる革新的な研究成果を発表、さらに08年にも追加発表した。

   論文は当時あまり注目されなかったが、ビオンテック社がこの研究の価値に気づき、カリコ博士は2013年に同社に招かれた。19年からは上級副社長を務めている。

   NHKによると、「mRNA」は、体内で炎症反応を引き起こしてしまうため、長年、薬などの材料として使うのは難しいと考えられていた。しかしが、カリコ博士らはmRNAを構成する物質の1つ「ウリジン」を「シュードウリジン」に置き換えると炎症反応が抑えられることを発見。現在、日本で接種が始まっているファイザー=ビオンテックが開発したワクチンとモデルナのワクチンは、ともにこの研究成果による技術を使っているという。

   カリコ博士は、基礎医学の発展に寄与した功績が認められ2020年、ノーベル賞受賞者も多く受賞している米国の医学賞、ローゼンスティール賞を受賞。欧米の研究者などからは、ノーベル賞に値するという声もあがっているそうだ。

姉妹サイト