21億円は「数十万人ほどの市町の水準」
関西学院大学経済学部の上村敏之(財政学)教授はJ-CASTトレンドの取材に対し、都の財調残高が21億円になるとの報道について「通常こういうことはない」と話す。都は全地方自治体の中で最も多い額の財調をこれまで有しており、財政的に余裕があった。21億円という数字について、「数十万人ほどの市町の財調残高が、この水準の金額です」と驚いた様子で語る。
財調が困窮した自治体では、公共サービスのうち、国との共同でなく独自に行う「単独事業」で歳出の削減が行われる場合があるという。どの単独事業を削減の対象とするかは自治体によって異なるが、子ども向けの医療費の助成制度など、福祉サービスが減っていく事例も。
今後、休業要請に応じた飲食店などへの協力金・支援金への影響が出る可能性については、「あると思います」。さらに「(今後協力金や支援金の給付を)やろうと思ったら、何かの事業を見直さないといけない」と上村教授。公共事業による建設の延期などを行うことで歳出を削減し、財源を捻出する必要があるのではないかと推測した。