ボランティアは10日間拘束でタダ働き
こうしたIOCの特殊構造は「ボランティア」にも当てはまる。2018年刊の『ブラックボランティア』(角川新書)は、「五輪の利権構造とボランティア搾取」を取り上げている。「東京五輪のスポンサー収入は推定4000億円以上。ボランティア11万人は10日間拘束で報酬ゼロ。しかも経費は自己負担」。ちょっとブラックぶりがひどすぎませんか、と指摘する。これもトップを貴族が占めてきたIOCの歴史を振り返れば、理解しやすいかもしれない。
5月29日には、IOCが選手らに用意している同意書の内容が報じられ、波紋を広げた。「新型コロナウイルスや猛暑で死亡した場合も自己責任」という項目が加わっていることが分かったからだ。ジカ熱が問題となった16年リオデジャネイロ五輪ですら、感染症や熱の項目はなかったという。
さっそく「コロナで死亡も自己責任! 五輪参加同意書が世界で大波紋『これは生死同意書』」(東京スポーツ)と報じられている。